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□初体験※
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「久保ちゃん…あ、あの時の続き、シようぜ」

深夜の寝室。
赤くなった時任の一言に、近麻から目を離し瞬きする久保田。
ゲーム…なら赤くなることないし、あの日しかないよなぁ――



一緒に暮らし始めて半年程の頃、久保田は時任を襲いかけた。

『何してんだよ…!久保ちゃん!?ちょ…やめッ』

自分の名前を呼びながら暴れた時任をベッドに押さえつけ、両手をタオルで縛る。

『――ミノル…』

耳元で囁いた途端、抵抗が止んだ。

『あ…あァ――アキラ、さん』
時任はポロポロ泣きながら、深い所に居続けるアキラさんに許しを乞う。
‘ミノル’という名は、やはり強力なトリガーなのだ。

『ごめんなさい…』

『おとなしく…ッしてるからぁ』

僅かな月明かりに照らされた時任の瞳は濡れているはずなのに、輝きなんてモノは欠片も見えなくて。
それまでの欲やら興奮やらが、久保田の中から一気に引いていった。

『時任――ゴメンね?』

縛った手も乱れた着衣も全て戻し、ただ抱き締めて眠った。


三大欲求の1つと言われていようが、時任が辛いだけなら切り捨てたって構わない。
元よりそんなの、興味無いに等しいものだったから。


そう思いながら過ごしてきた今、時任の方からモーション掛けてくるとは。

「…前と同じコトするかもよ?」

縛られたりしたことを当人はぼんやりとしか覚えてないらしい。
ただ、久保田が痛そうな顔で謝って抱き締めた事だけはハッキリしているらしい。

「それでも久保ちゃんとなら…今なら、大丈夫」

今度は逃げないからと、潤んだ瞳で見つめられる。

あの時逃げたのは久保田の方だろうが、この申し出を断る理由もない。



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