書庫・WA
□手袋を買いに
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「ヤバッ…」
時任が、小さく声を上げ立ち上がってリビングを出る。
俺はセッタを吸いつつ、時任を目で追う。
トイレかな…とも思ったけど、寝室のクローゼットを漁る音がした。
ついでにドンガラガッシャーン!と大惨事の予感が。
「ん…ヤバイ?」
ガサガサが収まったところで戻ってこないから、様子を見に行く。
ドアが半開きで、そっと覗き込んだ。
その中では―――
「くっ、久保ちゃん!?わぁイテテッ…」
俺に驚いた時任が、左手を縫い針で盛大に刺した。
「で、急なお裁縫のワケは?」
「穴開いたから…」
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