書庫・WA

□食欲の秋貯金
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扉の前に立ってリビングを見渡した。
結構散らかってるなーと思ったので、片付けるべく動き出す。
片手に握ったゴミ袋に、DMやらお菓子の袋をガサガサ葬り去っていく。

食欲の秋・新商品の秋…お菓子を食べる量も増える一方で色々大変だぁね。

「あれ…?」

某成型ポテトチップスのパッケージがご丁寧にテレビ台に立っていたから、ひょいと持ち上げれば中から謎の音がした。
上下に振ってみる。

紙のパッケージの中で金属がぶつかり合って、こすれる音――

「ただいまー…って、コラ久保ちゃん!!勝手に開けんなっ!」
「…まだ開けてないもん。何これ」

コンビニからある意味ナイスタイミングで戻ってきた時任が威嚇してきた。

「ふっふ〜、聞いて驚くなよ?」
「わーなんだろーなー」

ドヤ顔で主張するには『俺様の貯金箱』だそうで。
お菓子を開けるごとに小銭を入れてたみたい。
個包装のお煎餅なんかは1枚開ける度に1円入れてるって。


「でも、このお金で次のお菓子買っちゃったら…貯金じゃなくてお財布代わりじゃない?」

「うっ…」


END
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