書庫・WA
□朝まで
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「やっべぇ…ウマそうなもんばっか」
「時期だからねぇ」
10月31日。日が落ちる前にとコンビニに乗り込んだ二人を出迎える特設コーナー。
去年の使い回しであろう、見覚えのあるゴーストが揺れている下にお菓子が山のように並んでいる。
黒とオレンジは毎度のことだ。
「…で、まずカゴに入れるのがそれ?」
「イイだろ、甘いのとしょっぱいのでさ」
時任がつかみ取ったうすしおポテトチップス、それもパーティーサイズがひとつカゴに横たわった。
久保田はといえばそのカゴを下げたままチョコレートや飴を眺め、定番のものからちょっち怪しいものまで摘み取っていく。
「久保ちゃん…全部食えんの?」
「開発部通ってきてる時点で、まぁ食べれないことはないっしょ。あ、これも――」
「量的な意味でな。…味的にもだけどよ」
何味なのか分からない飴が仲間入りした上から、怒涛のかぼちゃ系スイーツが投入された。時任が片っ端から抱えてきたらしい。
人のこと言えるのかと内心思った久保田だったが、時任がご機嫌だから良いかなんて思ってカゴを持ち直した。
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