書庫・WA

□久保田君の恋人
1ページ/7ページ



「…ナニこのかわいい生物――」

それを見つけての第一声は、ものすごく自分に素直だった。

確か昨日は、徹夜でゲームをやり込む時任をリビングに残して一人寝室で寝たんだっけ。
で、今日は始発で鵠さんとこだからって思い出してリビング行ったら、テレビの前でカロリーメイトの箱を枕にしたちっちゃい時任が寝てた、と。

はい、とりあえず状況判断お終い。

しゃがみ込んで見ればスヤスヤと正常な寝息と、それはそれは平和な寝顔。
かわいそうだけど、緊急事態というか異常事態ではあるから起こそうか。

「時任ー?起きて…」

ツンツン…
ムニュムニュ…

うっかり潰しちゃいそうな頬っぺたを人差し指でつついていると、やがて時任が目覚める。
ペシッと指を払いのけた手の小ささに俺がびっくり。


「ん、あぁ、おはよ…?―――はっ!?久保ちゃんでっけぇ!!!!」

「いや、お前がちっちゃくなってるんだけど。」


勢いよく後ずさってゲーム機に躓いて転んだ時任。
その服をつまんでソファーに乗せる。
とにかく、軽いことが判明した。





次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ