うたプリ
□クラシック組
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「翔ちゃああああああああああああああぁぁぁぁぁぁん!!」
「ぐっ・・・・ぐるじぃ・・・・っっ!はな・・・せ・・・・なづぎ・・・!」
いくら可愛い物が好きと雖も、相手は同性。女ならまだしも男だ。あからさまに人目を気にせず抱き合う事が出来る那月君は、素晴らしい神経をしてらっしゃる。と言いますかコレはあれなのでしょうか?世に言うホモとやら言うものでしょうか?だとしたら那月君にはしっかり注意してあげなければならない。
「あぁぁ!かわいーなー!」
「ぐぬぬ・・・・・。」
愛情表現が過激と言うか・・・暴力的と言うか・・・。
とりあえず此処は私がキチンと世の中の常識と言う物を教えてあげなければ!
「ちょっといいかな二人とも。」
「あ!なまえちゃんです〜!」
「だずげ・・・・・・はぁっはぁ・・・苦しかった・・・って、おい!」
「可愛い〜〜〜〜〜〜!」
「あの・・・四ノ宮さん?結構・・・苦しいと言いますか・・・。ってぐふぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
「なまえ!?オイ那月!強く抱きしめすぎだっ!はーなーせー!」
「あっ・・・ごめんなさい。」
「はぁ・・・・・いえ・・・・。」
「ったく・・・。」
「あ!そうだ。那月君!君には一つ大人な私から言いたい事があるのだよ。」
「お前、俺と同い年だよな。」
「だまらっしゃい!と言うか翔ちゃん、君もだ!」
「おっおう。」
「なんですか〜?」
「君たち、いくらなんでも男同士でしょ?駄目よそんなあからさまに愛情を育んでちゃ。」
「は・・・?いや待て。お前普通に俺らの様子見てたら明らかに温度差あるだろ気付けよ!」
「それはどうだろうねぇ・・・?」
「お前・・・。」
「あの・・・一体どう言う・・・?」
「那月君、しらを切ったって私にはバレバレなんだからね!」
「えっと・・・ごめんなさい。さっきから言ってることがよく分からなくて・・・。」
「那月君、隠さなくたってお姉さん分かってるのよ。兎に角そういうことは駄目なんです。いいですか?翔ちゃんもメッ!」
「おい、お前なんで俺にだけそんな幼稚園児と同じような対応なんだよ。」
「は、はあ・・・・。」
「つか、那月全然分かってねぇみたいだけど?」
「ごめんなさい。ホントに分からなくて。」
「仕方ない。那月君の目を覚ますためにもハッキリといって差し上げましょう。つまり、君たちは同性愛を育んでいるのでしょう?」
「お前さぁ・・・さっきからくだんねぇ事ばっか言ってんな・・・・・・・・・よ・・・・・・・・・・。」
「くだらなくないです。私はあくまで正しい事を言ったま―――。」
「だあああぁぁぁ黙れ!」
「は?なんで?私は―――」
「いいから黙れ!喋るな!黙れ!」
「・・・・・・?」
「なまえちゃん?」
「・・・はい?」
「確かに僕は翔ちゃんの事はだぁーいすきです。でもね、幾ら好きな物でも僕はちゃんと区別をつけています。ねぇなまえちゃん。僕はね、なまえちゃんも大好きなんです。でも、翔ちゃんの好きとは違う好きなんです。分かりますか?」
「だからつまり翔ちゃんのことを恋愛対象で見ていると言う事でしょう?」
「(こいつ・・・那月が怒ってるってちゃんと気づいてんのか・・・?気づいた上でんな事言ってんのか・・・?)」
「なまえちゃん。僕はとても残念です。なまえちゃんにそんな風に思われてたなんてとても残念です。はぁ・・・。」
那月君は少し俯きながらもゆらりゆらりと私の方に近づいてくる。そんな那月君はいつものほんわかしているオーラではなく、物凄くドス黒いオーラを纏っているような・・・。アレ・・・もしかして怒って・・・る・・・?
「な・・・那月く―――」
「もう・・・どうしよう。僕は、僕は一生なまえちゃんに勘違いされたまま生きていくんだね。とても悲しいな。寂しいな。」
まずい・・・まずいよこの展開。てか私の勘違いだったんだ。那月君と翔ちゃんはホモじゃなかったんだ。そこで安心はしたけれど、物凄く気まずい空気だな。那月君怒ってるよな。どうしようかな。
「オイ、こうなったのはお前が原因なんだからお前がどうにかしろよ。」
「えっ何で翔ちゃん見捨てないでよ。」
「見捨てるも何も、助けてやりたいがこの状況で俺が何をしようと那月の機嫌が直るはずねぇ。お前しか居ないんだ。」
「そんな・・・。」
今目の前で那月君は真っ黒なオーラをムンムンに纏わせているわけだが。これを私がどうにかするって・・・。
「那月君?えっと・・・勘違いしちゃってごめんね?
「・・・・・・。」
「私も那月君の事大好きだよ?」
「・・・ホント・・・ですか・・・?」
「う、うん!もう物凄く大好きだよ!?」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「うわああああああああぁぁぁぁぁい!!!!僕も大好きです!!!なまえちゃんよりも僕の方が大好きです!!ぎゅ〜〜!」
「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬっ!!!」
何この子物凄くチョロいっっ!!!てかどうでもいいけど助けてマジで死ぬっ!翔ちゃんにSOSの視線を送るが、翔ちゃんは苦笑いのままで全く私を助けてくれる気配が無かった。
あぁ、私余計な事言っちゃったんだな。もう二度と那月君を攻めるのはやめよう。
そして、もう二度と、那月君を怒らせる様な事をするのはやめよう。
FIN.
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那月を怒らせるととても怖そうでメンドクさそうだねって言う話。
そして今回も分けなかったな。