Rain sound
□Episode 0
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『あー・・・降ってきちゃった。』
喫茶店のバイトが終わって、
帰ろうとしたらこれだ・・・
マスター「ついてないねぇ、名前ちゃん。さっきまで晴れてたのに。」
『・・・傘貸してもらってもいいですか?』
マスター「悪いんだけど無いんだよなぁ・・・・あ!そうだ!」
窓の外で、雨の音が響く
マスター「これ、前に来たお客さんの忘れ物なんだけど・・・」
『え・・・それダメじゃないですか?』
マスター「取りに来ないし、たぶんそこの大学の学生だと思うんだよね。」
『うちの大学の・・・?』
マスター「そ。だからまぁ、預かるってことでどう?渡しといてよ。」
『渡すって・・・』
生徒が何人いると思って・・・・
でも、濡れるの嫌だし・・・いっか
『じゃあ、そうします。』
マスター「はーい、気をつけてね。」
『失礼します。』
真っ赤な傘をさして
雨の中を歩く
『・・・・・・・・』
誰かに呼ばれた気がしたけど・・・
『なんだ・・・・気のせいか!』
この雨の音が
キミの声なのか
私を呼ぶ、声なのか
- Rain sound -
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