夢小説フォルダ1

□跳ねて廻るは白兎 弐
1ページ/6ページ












政宗様を見つけて慌てて城へと戻り、医師に見せてから一晩と半日たった。










峠も越え、今は落ち着いた呼吸で床に就いている。



















俺からも、やっと力が抜けた。


























跳ねて廻るは白兎
-兎、魅了する-















酷い出血にも拘らず、命に別状が無かったのはやはり早期治療の御蔭だろう。




医師も言っていた。


















(――兎(コイツ)には感謝しきれねぇな…)





俺は、俺の向いに眠る主の枕横で手を体の下に仕舞い、丸くなっている白兎に眼をやった。










こいつが政宗様の所へ導いてくれなければ、手遅れになっていたかもしれない。























(この俺がいながら……)








悔やんでも悔やみきれない。





主を護る為に存在する俺が、主をこんな姿にさせてしまうなんて。



















俺は悔しくて己の袴を破れんばかりに握り、唇を噛む。








強く噛みすぎた性か、唇から血が滲んだがそんな事気にならなかった。



















今は唯、自分が不甲斐無くて仕方がなかった。




  
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ