Licht der Hoffnung

□目が覚めたら
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ずっと、願っていた。

幸せな日々が来る事を。


でも、現実は辛くて、苦しくて。


どうしようもないほど、涙が溢れてくる。










――――――――――










「――――――っ!?」



呼吸が出来なくなるくらいの苦しみに、ルカは意識を取り戻した。

荒くなる呼吸を整えながら、自分が泣いている事に気付き、目を細める。

ふと、周りに視線を移せば、見覚えのない部屋の中だった。



「…………?」



自分が眠っていたベットも、自分のベットとは違い、柔らかい素材で。

首を傾げながら、頬を拭った。


と、その時。



「あら、目が覚めたの?」



部屋の扉が開き、女性が中に入って来た。

ルカの知らない女性で、でも、何処かで見た事があるような気がした。

未だに混乱している頭を押さえながら、ルカは女性を見つめる。



「あ、あの……ここは、どこですか?」


「ここは私の家よ。それよりも大丈夫?2日間眠り続けていたのよ」


「み、2日間…!?」



ベットの上に勢い良く起き上がり、女性の言葉に驚く。

どうして自分がそんなにも眠っていたのか分からず、首を傾げた。



(あ、れ……私、どうして、ここに……)


「ちょ、ちょっと!大丈夫!?」


(2日間も眠ってたら、お父さんの看病、誰が……!)



頭を抱えるように蹲るルカをブルマが慌てた様子で背中を擦ってくれた。

だが、それに反応出来ない程、ルカは混乱していた。


思い出してしまった。


父親が、瓦礫の下敷きになった事。

その周りには、赤いあかい、海が。


3日前の記憶が甦り、ルカは口元を覆った。


鮮明に思い出せる。



「お、おと…う、さ……っう、ぁ」



ルカの瞳から涙が次々と零れる。

女性は目元を下げながらルカの事情を察してか、ベットの縁座り。

そして、ルカの頭を撫でながら、静かに見守っていた。





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