Licht der Hoffnung

□新たな生活
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リビングに入ったルカ達を待っていたのは、一人の少年だった。

年はルカと同世代くらいの少年で、紫の特徴的な髪の色をしている。

ルカは咄嗟にブルマが言っていた息子だと思い、勢い良く頭を下げた。



「あ、あの!私を助けてくれて、ありがとうございます……」


「え、あ、はい……元気そうで、良かったです」



ルカの勢いに驚いていた少年だったが、安心したように口元を綻ばせた。

その表情にルカは自然と微笑みが浮かぶ。



「トランクスです…名前を聞いてもいいですか?」


「わ、私、ルカって言います!本当にありがとうございました。トランクスさん」



再び頭を下げようとするルカにトランクスが困ったように笑う。

ブルマもその様子に笑い、ルカを見つめた。



「そう固くならないでいいわよ〜。それよりも、座って話をしましょう!」


「そうですね…ルカさん座って下さい。オレ、飲み物淹れて来ます」


「あ、トランクス〜。私は珈琲ね。ルカちゃんは?」


「え、あ、何でもいいです」


「分かりました。少し待ってて下さい」



そう言ってトランクスはリビングの奥に行ってしまった。

ブルマとルカは向かい合わせに椅子に座る。



「あの子、どう思う?ルカちゃん」


「?優しい人、だと思います」



見ず知らずの自分を助けてくれたトランクス。

ルカにとって、トランクスの第一印象はそうだった。



「そう…良かったわ。フフッ、ルカちゃんは良い子ね」


「どうしてですか?トランクスさんどこからどう見ても優しいと思うんですが…」


「あなたみたいな人ばかりじゃないって事よ」


「?」



ブルマの言葉に首を傾げる。

どういう意味なのだろう。



(だって、まるで……)



そう、まるで、彼を良い人だとは思わない人がいるみたいな発言だった。

理由を聞こうと思って口を開こうとしたが、突然目の前に湯気が立ったコップが置かれた。



「!」


「どうぞ。ルカさんはココアで良かったですか?」


「あ……は、はいっ。ありがとうございます…」



いつの間にかトランクスが戻っていたらしい。

ブルマの前にもコップを置くと、トランクスはブルマの隣に座った。

ルカは出かかった言葉を止め、もう一度お礼を言うとココアを飲んだ。


何故か、トランクスの前でその話をするのは憚れたからだ。


口の中に甘くて温かい味が広がるも、ルカは釈然としない気持ちで一杯だった。




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