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□好きだから
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いつだって、貴方の瞳には、あたしは映らない。

それでも、誰かの代わりでも良いから、傍にいさせて。





放課後の教室は昼間の騒々しさが嘘のように静けさに満ちている。

その教室の窓際の席で、向かい合わせで座りながら、あたしとトランクスは窓の外の下を見ていた。

あたし達の視線の先には、幼馴染の悟天とその隣の“彼女”がいる。

横目でチラッとトランクスを見ると、何も感じていないような無表情。

だけど、あたしは知っている。

彼の奥底には、人知れない嫉妬が渦巻いている事を。



「―――――名無しさん」


「!……何?」



務めて冷静を装うけど、あたしの心臓はドキドキと脈を打っている。

それは、今のトランクスが普段の彼よりも怖いから。



「……オレの、何がいけないんだと思う?」


「…………貴方は何も悪くないわ」



この応答も、いつもの事。

悟天と“彼女”を見掛ける度に、彼はこうやってあたしに問い掛けてくる。

あたしがそう返す事を知っているから。


あたしの言葉に安心したのか、トランクスはあからさまに安堵の笑みを見せて、あたしの手を握った。



「………帰ろうぜ」


「……そうね。帰りましょう」



あたしは当然のように握り返しながら、そっと笑みを張り付ける。


彼は知らない。

あたしの中に眠る想いを。

“あの子”を見る熱い視線に、あたしが嫉妬している事を。



(―――――……貴方は、知らないんだから)



それでも、報われなくても良い。

誰かの代わりでも、別に構わない。


ただ、貴方を好きで居られるならば―――――





――――――――――

ちょっとした後書き

意味が分からないお話ですみません。
夜中のテンションで書いた為、自分でも分かっていないです。

現代トランクスの話が書きたい!と思った結果、何故か全然会話がなかったですし、彼のキャラが掴めてなかったみたいです。
ちょっと酷いトランクス君を書きたかったのに……!

もう少し精進します。





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