Novel
□紙吹雪番外〜時空越〜
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「土方さんのど阿呆ぉぉおおお!!!!!!!!!!!!!!!!」
「あ、ちょ、おい!!!!」
そう言って屯所を飛び出したのは、つい半刻前。
「……………」
こんにちは浅生紗耶です。
いきなりですが、只今大変ピンチな状況であります。
「こんなところにお嬢さん一人で何やってんだ?」
「危ないぜ?」
ニヤニヤ笑いながら近づいてくるのは見知らぬ浪士達。
お前らのがずっと危ないっちゅーの!!
久し振りの非番。
久々に女物の着物を着て町に出たら知らん場所に辿り着いてしまった。
「(よりによって、何でこないなときに絡まれるんかな…)」
腰に刀はない。
つまり絶体絶命なわけで。
「(土方さんッ助けて…!!)」
喧嘩して飛び出したのも忘れ、心の中でそう叫んだ瞬間
「お前らこんなとこで何やってやがる」
男達の背後から聞こえる低い声。
聞きなれたようで初めて耳にした声だった。
しかし、その姿は男達が邪魔で見えない。
「げ!?」
「なっ!!お前…!!」
そんな紗耶をよそに声の方へ振り返った浪士達はその姿を見た瞬間、顔面蒼白させ声を震わせた。
「こんなとこでの愚行たぁ、勿論俺の事承知の上でだよな?」
男がそう言うと、浪士達は慌てたように紗耶から離れ散々に逃げていく。
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