Novel

□紙吹雪番外〜一髪二姿〜
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「…っ阿、呆!逃げんな」





上から降ってくるのは切なげに紡がれた声と
後ろから抱き締めてくれる媚薬みたいに体を蝕む大好きな香り。






「と、し…」






思わずぎっと抱き締めてくれた腕に捕まれば更に腕の力を強める歳三。






「何逃げてんだよっ」



「だっ、て…歳、浮気したぁ…」






ぐずりながらそう告げる馨に歳三は目を見開く。














「いやいやいや!!そんなことしてねぇから」





慌てて否定するも、馨は目に涙を浮かべながら顔をうつむかせる。





そんな馨を不謹慎にも可愛いと思ってしまう歳三だが、自分の置かれた立場を思い出し、馨の肩を掴んで自分の方に向けさせると




「んっ」




そのまま両頬を手で挟み問答無用で口付ける。





「ん…ゃ、ふぅ…とし、ん…」
何度も何度も深く口付け、抵抗がなくなった頃、漸く馨を解放した。






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