Novel
□紙吹雪番外〜一髪二姿〜
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「……ったく、こんな可愛い馨がいるのに浮気なんか出来るかっつの」
コツンと額同士をあて、呟くと
「浮気なんて一生出来ねぇから安心しろ。俺は…お前がいれば満足だから、な」
と笑い額に唇を落とす。
「…じゃあ、さっきのは……?」
涙の跡は消えたものの、まだ不安そうに歳三を見上げる馨。
………なんか昨日から馨、甘えただな。
可愛い、可愛いから全然いいんだけど。
「あ〜…あれはな…」
歳三は言いにくそうにしながらも、覚悟を決めたように懐に手を伸ばし
「これ」
と一つの櫛を取り出した。
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