×Deep Rose×
□降り注ぐ人工雨、止められた蛇口
2ページ/11ページ
「…ぼくは…もう…」
絶望した。
もう、御剣とは恋人として
親友としてだって…
戻れない。
ぼくがぶち壊したんだ。
『今更後悔したって遅いんだよ。』
心の底からそんな声が響いてくる。
…そうだ。
今更泣いたって…
もう、遅い。
馬鹿な成歩堂龍一は…
自分で自分の愛を…
破壊したのさ。
自分勝手な妄想と、感情で。
降り注ぐ人口雨
止められた蛇口
“サァァァ…”
ぼくはいつの間にか家のシャワー室に入っていた。
スーツのまま、冷たい水をかぶり…
泣いていた。
泣いて済んでくれるのなら
ぼくはいくらでも泣くさ。
それで御剣を…忘れられるなら…