×Deep Rose×
□闇、光差し込む時
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「薬を飲んでくれるかな?」
そう言われ、目の前に出されたのは媚薬。
「…壊れちゃいます…ぼく…」
「………だめか?」
「…」
ぼくの沈黙に相手は不満気な顔をした。
だけど、それはぼくの思うように進んでる。
そんな顔をされたら、ぼくたちはこうするんだ。
…静かに相手に寄り添い、腰を撫でながら上目遣いをする。
そして言えばいい。
「………優しく抱いてください。旦那様。」
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自身を締め付けられる感覚。
身体中に残される口付けの痕。
甘い、口説き文句。
その全て
感じ飽き、
見飽き、
聞き飽きた。
「…あ…ぁんっ…旦那…様ぁ…」
この言葉も、
言い飽きた。
快楽に溺れている相手とは違って、ぼくの脳裏には余計なことばかりよぎる。
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