×Deep Rose×
□広がる夜空 広がる世界
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目の前の光景は
“嘘”か
“誠”か
そう言われると“誠”になる。
だけど信じられない。
まるで夢のような、展開。
「龍一…」
確かに、覚えている。
昔と全く変わらない、美しい顔立ち。
白い肌。
透き通った灰色の瞳。
「御剣…怜侍…」
記憶にある人の名前を呼ぶ。
すると御剣はフッ、と微笑んだ。
「会いたかった。」
広がる夜空
広がる世界
「どうして…ここに?」
「探したのだ。君に会いたくて、必死で。」
胸の奥が詰まりそうになる。
嬉しさが一気にこみ上げてくる。
だけどまだ、信じられなかった。
「どうして…ぼくなんか…」
「…愛しているからだ。」
ぼく自身を汚していくぼく自身の言葉を、御剣はことごとく退ける。
その暖かい、甘い言葉は、他の男とは違う。
ぼくの心を震わせ、暖め、包み込んでくれた。
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