×Deep Rose×
□降り注ぐ人工雨、止められた蛇口
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「…デートの約束の為に…電話をかけたのにな…」
久々の…デートが出来ると思ったのに
こんな形になるなんて。
「…馬鹿弁護士!!!」
ぼくはそのまま…シャワーを流したまま、泣き崩れた。
――――――――――――
「はぁっ…はぁ…」
急いで走って来たせいで息がかなり上がっている。
…トレーニングはさぼるものではないな…
つくづく感じた。
「…」
見据える先には
“成歩堂”と書かれた表札。
ドアノブを回す。
…鍵はかかっていないようだ。
…成歩堂はここにいる。
私はすぐに…部屋に踏み込んだ。
――――――――――――
“ザァァァ…”
水音が聞こえた。
暗闇に包まれた部屋。
…見渡すと一点、明かりが漏れていた。
「……」
恐る恐る足を運ぶ。