親ばかと子ども達

□高尾家の日常
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高尾家の朝


高尾家の朝は、父と息子の争奪戦から始まる。
争奪されるのは、一家の天使、緑間、現在は高尾真太郎である。

緑間はいつものように、できない料理を、心苦しいと思いながらも、長女の真子に頼んでいた。

『いつも、すまないのだよ……』

『構いませんよ、真太郎さん。
真太郎さんは料理するより、あの2人の相手をしていて下さい。
その方がとても有難いので』

真子が視線を投げた先に居たのは、口論をしている、高尾と真子の兄の長男成未であった。

2人の会話はというと、

『真ちゃんは、俺と結婚したから、俺のなの、分かる!?』

『俺は真ちゃんの息子だもん!息子だから、母親の愛が必要なの。
和クンは無くても生きていけるだろ!』

『いんや、無理だね!
真ちゃんに1日一回は愛してる、って言ってもらわないと、生きていけn((』

高尾が全て言い終わる前に緑間が手近にあったバスケットボールを投げて、高尾の顔面に命中させた。

緑間は、顔を真っ赤にしながら、

『黙るのだよ、和成!
朝からどんな話を息子としているんだ!』

高尾は、顔を違う意味で真っ赤にしながら、

『だってさ、成未が真ちゃんは俺のだって言うんだぜ!?』

『知るかっ!』

言い合っている2人を横から見ていた成未は、

『良いなぁ和クン。
真ちゃんと沢山話せて』

と、拗ねていた。
すると、朝ご飯の用意を終えた、真子が成未の元へとやって来た。

『いい加減親離れしてよ、兄さん(ため息』

『和クンからなら、離れても良いけど、真ちゃんからは絶対にやだねっ!』

『………あんまりしつこいと真太郎さんに嫌われるかもね』

『っ!?
お、俺頑張ってみるわ』

『……(ため息』


真子は密かにため息をついてから、

『兄さん、和成さん、真太郎さん。
朝ご飯準備出来ましたから、食べましょうか』



高尾家の朝は父と息子のサバイバルである。

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