親ばかと子ども達
□青峰家の日常
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青峰家の朝
青峰家には、とっても可愛らしい奥さんが居る。その名も、桜井、現在は青峰良。
顔はその辺の女子になら余裕で勝てるような、可愛い童顔だった。
この家には、そんな奥さんを狙う狼が二匹居る。
朝、桜井はいつものごとく朝御飯作りに精を出していた。
大好きな旦那さんと最愛の息子達のために頑張っていた。
すると、長男である、青峰良輝がやってきた。
『おはようございます、母さん』
『おはようございます、良輝』
ふんわりと微笑みながら、桜井が返すと、
『良!』
朝っぱらから彼の名前を叫ぶ声があった。
そしてその直後、彼の体に誰かが抱きついた。
『お、おはようございます、桜輝』
彼が半ば苦笑い気味に挨拶をするのは、この家の狼の一人そして次男の、青峰桜輝であった。
『おはよう、良!』
二カッと笑いながら、挨拶を返す彼は、桜井の方をしっかり見ながら、なおかつ、決して離れないようそして、そして、まるで誰かの侵入を防ぐような形で・・・。
それをいつものことだが、呆然と眺めていた良輝が、
『桜輝、母さん困ってるよ。離してあげて・・・』
『うるせぇぞ、兄貴!!』
『ひっ!スイマセン!』
この光景を桜輝に抱きつかれながら見ていた
桜井は、高校時代の青峰と自分にそっくりだと、微笑ましく見守っていると、
『なぁにしてんだよ、桜輝!!』
怒声がしたほうを振り返ると、この家の主にして桜井良の大好きな旦那にして、もう一人の狼、青峰大輝その人が居た。
『何って、俺の!良に抱きついてんだよ』
『俺の!ってなんだよ、俺の!って!!
強調してんじゃねーよ!
それに、良は俺のだ!』
そう言ってから、桜輝を桜井から引き剥がし、抱きしめた。
『良、お前は誰のものだよ?』
耳元で囁かれた、桜井は顔を真っ赤にしてしまった。
しばらくしてから、
『大輝さんの、ものです・・・////』
と言って、完全に息子たちほったらかしの2人の世界に入ってしまった。
それを、恨めしげに眺めていた、桜輝は、
『ちっ・・・必ず良は俺の物にしてやるぜ!!』
『桜輝・・・学校行こっか・・・』
青峰家で一番苦労していたのは、長男でした。