短編集

□それくらい分かってる。
1ページ/4ページ

真ちゃん。
あのさ、聞いて欲しいことがあるんだ。
俺、最近さ思うようになってるんだ。
ホント俺らって変だよな。
人格の問題じゃねえよ?
普通に見てだよ。
だって、男同士で付き合ってるんだよ。
何も今更気持ち悪いなんていわないよ。
別に思ってないし。
真ちゃんのこと俺は誰より好きな自身はあるよ。それでも、真ちゃんのことを好きな女の子だっている。きっと、たくさん。
それを思うと悲しくなるんだ。
何で俺は男なのかって。
女なんてなりたくも無かったけど、今は羨ましくて仕方ないよ。
だって、真ちゃんの側に一生居れるんだよ?
結ばれることが出来るんだよ。
そんな簡単なことが俺と真ちゃんには決してできない。
泣きそうになって狂いそうになる。
真ちゃんとずっと一緒に居たい。
でも、出来ない。
真ちゃんが他人のものになった横では俺は絶対笑えないから。
真ちゃん、泣きそうな顔しないで。
真ちゃんは耐えられる?
たくさんの人から冷たい目で見られて、もしかしたら誰も味方になんてなってくれないかもしれない。
そんな状況になっても俺と一緒に居れる?
俺は居れる。
でも、真ちゃんに強制なんてしない。
俺はお前の幸せを何より願ってるから。
ねえ、真ちゃん、別れないか?
俺、そんな辛い思いしなきゃならないなら、今すぐ終わらせたい。
明日から単なる相棒に戻ろう。
大好きだよ。
お願い、これが最後だから。
好き、大好き、愛してるよ真ちゃん。
本当に大好きだから。
ごめん、今だけ泣かせて。
もう絶対泣かないから。



























あのさ、真ちゃん俺はこの気持ちを過去形にだけは出来ないから。
何年たっても“好き”の後に言葉は付かないよ。
















































(結ばれることなんかかなわない。そんなことは初めから分かっていた・・・はずだった。)
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ