短編集
□花宮真聖誕祭!
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『んだよ、コレ』
花宮真が部活が終わり部屋へ帰ってきた花宮を待ち構えていたのは箱とか袋とか、とにかくプレゼントっぽいものが散乱している状況だった。
一部は同じ高校の部活仲間からであった。
だが、もう一部は、
『なに考えてんだよ、アイツらは』
中学時代にキセキの世代と並ぶ天才と称されていた自分と同じ肩書きを持っている四人からであった。
無冠の五将
呼び名こそカッコいいかも知れないが、実質のところ天才5人のなりそこないだ。
彼らの光が強すぎてそれに隠れてしまったのが自分達だ。
そんな呼び名に嫌悪感は今更沸かない。
だが、これはどういうことだ。
一括りにされていても実質そこまで関係があったわけではない。
何より、あいつらは苦手だ、と花宮は心底うんざりしながらプレゼントを見つめた。
捨ててしまえばいいのだろうが、それはなんとなく後味が悪い。
『開けてみるだけ開けるか』
気に入らなければ捨てればいい。
そう思い一番手前にあった袋に手をかけた。
一番派手でなんだか乙女趣味な袋だ。
無冠の五将に女は居ない。
『実淵か・・・』
こんなことする奴とういうか、出来る奴は1人だけ。
現在は洛山高校に居る、実淵玲央だ。
コイツは無冠のうちで一番変な奴だと花宮は思う。
オカマの癖に強い。
普通に男としてバスケやってる身としてはなんだか複雑だ。
『っつか、なんだコレ?』
過剰に包装された袋を開けてみれば、そこにはいつどんな野郎が使うのか全く分からない少女趣味なマグカップが入っていた。
ちなみにミッ●ーだ。
添えられていたカードにはこう書いてあった。
『誕生日おめでとう!
急にで驚いたでしょうね。
今回は私が無冠の五将全員に呼びかけたのよ♪
喜んでくれたかしら?
みんなのレオ姉より』
寒気がした。
というより、お前の仕業か!と花宮はカードを握りしめた。
『俺にどぉやって使えっつうんだよ、コレを・・・』
嘆息しながら、次の袋へと手を伸ばした。