頂き物
□変わらないもの
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紫原が高2で氷室が高3の卒業間近設定です
「む〜ろち〜ん」
俺は学校から寮への帰り道、室ちんに後ろからガバッと抱き着いた
「ちょ、敦!びっくりさせないでくれ」
「いいじゃ〜ん。室ちんのびっくりした顔が見たかったんだもん〜」
室ちんに少し怒られて俺はふてくされた
「それに室ちんもうすぐ卒業だからこういうこと出来なくなるし〜…」
だから少しでも触れていたいのだ…
「そういえば室ちん進路はどうしたの〜?」
俺は不思議に思って聞いてみた
「なんで?」
「え〜…俺も来年ついていこ〜かな〜って思って〜」
「あ〜それはムリかな…」
「…………なんで?」
「俺、卒業したらすぐにアメリカにもどるから……」
えっ……うそ、なんでなんでなんで!?
「言ってなくてごめん…」
俺から離れるの?
「ホントにごめん…敦」
そういって室ちんは俺から離れてった
−−−−−−−−
それから3年後
俺が二十歳になる誕生日の日、室ちんは日本に帰って来た
「ただいま、敦」
そう室ちんは微笑みながら言う
ただいまじゃないよね?
俺のことおいてっていまさら帰って来て
「一人にさせてごめんね、敦」
「室ちんのバカァ〜」
あの卒業式のことが蘇り泣いた
「もう絶対離してあげないからね!」
室ちんに抱き着き啄むようなキスしたら微笑みながら
「いいよ、それで」
なんて言われたからもう二度と離さないと心の中で誓った
変わらないもの 探していた
あの日の君を忘れはしない
形ないもの 抱きしめてた
君と歩いた同じ道に
今も灯りは照らし続ける
そしていつまでも一緒に
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