頂き物

□変わらないもの
1ページ/1ページ

紫原が高2で氷室が高3の卒業間近設定です






「む〜ろち〜ん」

俺は学校から寮への帰り道、室ちんに後ろからガバッと抱き着いた

「ちょ、敦!びっくりさせないでくれ」

「いいじゃ〜ん。室ちんのびっくりした顔が見たかったんだもん〜」


室ちんに少し怒られて俺はふてくされた

「それに室ちんもうすぐ卒業だからこういうこと出来なくなるし〜…」


だから少しでも触れていたいのだ…




「そういえば室ちん進路はどうしたの〜?」

俺は不思議に思って聞いてみた

「なんで?」

「え〜…俺も来年ついていこ〜かな〜って思って〜」

「あ〜それはムリかな…」

「…………なんで?」

「俺、卒業したらすぐにアメリカにもどるから……」


えっ……うそ、なんでなんでなんで!?

「言ってなくてごめん…」


俺から離れるの?



「ホントにごめん…敦」


そういって室ちんは俺から離れてった









−−−−−−−−


それから3年後

俺が二十歳になる誕生日の日、室ちんは日本に帰って来た


「ただいま、敦」

そう室ちんは微笑みながら言う
ただいまじゃないよね?
俺のことおいてっていまさら帰って来て



「一人にさせてごめんね、敦」

「室ちんのバカァ〜」


あの卒業式のことが蘇り泣いた


「もう絶対離してあげないからね!」



室ちんに抱き着き啄むようなキスしたら微笑みながら

「いいよ、それで」

なんて言われたからもう二度と離さないと心の中で誓った




変わらないもの 探していた
あの日の君を忘れはしない

形ないもの 抱きしめてた

君と歩いた同じ道に
今も灯りは照らし続ける

そしていつまでも一緒に









[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ