小説

□お茶を飲みながら本を読んではいけません
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どうしよう・・・

俺の名前は食満留三郎。
いや、俺の名前なんかどうだっていいんだ。
実は今、大変な事態が起きている。
長次に借りていた大切な本を汚してしまったのだ。
絶対怒られる。というより殺される。

それで、どうしようか迷ってて冒頭に戻るわけだ。
とりあえず長次を探そう。
そして、謝ろう。
今日、俺の命日かな・・・


今の時間だと、図書室だろうか。
そう思って図書室に立ち寄ってみたが、長次はいなかった。
ちょうど、本の整理をしていた雷蔵に聞くことにした。
「中在家先輩ですか?今日は来てませんね。医務室だと思いますが・・・どうかしたんですか?」
長次の本を汚してしまったことを言うと、先程までに笑顔だった顔が、さっと青ざめた。
「先輩・・・何やってんですか。」
分かってる。分かってるよ。今の俺は忍術学園一の馬鹿だ。
「先輩、医務室に行きましょう。大丈夫です。僕も行きますから。」
ポン、と肩を叩かれた。
目頭が熱くなってくる。俺、本当にいい後輩を持ったな。
雷蔵に支えられながら、重い足取りで医務室に向かった。



「あれ?留さんと雷蔵じゃないか。どうしたの?」
中には伊作と小平太がいた。
「長次知らないか?」
そう言った瞬間、小平太から強い殺気が漂った。
「何?私の長次に何か用か?」
今にも飛びかかってきそうな小平太を、伊作が
どうどう、と言いながら押さえる。
伊作、小平太は牛じゃねえよ・・・
「食満先輩が中在家先輩の本を汚しちゃったんです。」
そう言った瞬間伊作ががさがさと棚をあさり始め、小平太は何かに火をつけ始めた。
伊作何やってんだ?
ん?この匂い。まさか、小平太が火をつけてるものって・・・・

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