Real-Matrix ミニ番外編集
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#2 ミネルヴァモンの日常 後半(2016/4/2〜5/3まで公開)

 「安心しろ。至って普通の現代的な洋服にした」

 心の声がダダ漏れだったらしい。

 「ホント? いくら何でも早すぎない? やっぱり手抜きなんじゃないの?」

 「まさか。人前に出せないような恰好をさせて悪目立ちするのが一番困ることだろう」

 「あ、そっか」

 目から鱗といった風情で納得したミネルヴァモンだった。が。

 「にしても早いよ!」

 やっぱり手抜き疑惑は消えない。

 「ああ、作り置きの服のデータを入れただけだからな。早くて当然だ」

 「あ、そうなの」

 そう言われて、ようやっと得心する。
 佐伯が幾ら卓越したプログラミング能力を持っているとしても、流石にこの数秒で完璧な服装アバターを制作できるわけはない。

 実は前々から、ミネルヴァモンは姿が人間の少女そのものなので、上手く服を着せ替えてやれば有事の際他の人間に違和感を持たれずに活動させられるのではないか――と思い、こっそり衣装プログラムを組んでいたのだった。

 まさかこんな割合平和な形で蔵出しできるとは思ってもみなかったが。
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