BLEACH 中編・長編
□1.数十年前@
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ここは尸魂界。今年も護廷十三隊に幾人もの死神が入隊した。その中に晏藤莉乙と柴木杏の2名の女性死神が居り、先に入隊している幼馴染みの杞宮翠のもとを本日訪ねようと瀞霊廷内を歩いていた。
「いやぁ、やっと入隊出来たね杏ちゃん!ウチはてっきり一生入隊出来ないものかと思ってたよ!」
晏藤莉乙(あんどう りお)。おっとりとした雰囲気を纏っており、お婆ちゃんのような性格をしている事で親しみやすい女性。しかし反応が人によっては少々五月蝿いと見られるが、そこが面白いところでもある。少々腹黒であるところは翠の影響でもある。
茶髪のストレートロングヘアーで、普段は左右の編み込みとポニーテールを合わせている。紫色の大きな瞳はクリッとしており可愛らしい。左目元の泣き黒子と右口元の黒子が特徴的。身長164cmで、Eカップと巨乳。
「流石に一生は無いでしょ。でもまぁ、やっとってのはホントだよね。莉乙に置いていかれなくて良かった…」
柴木杏(さいき あん)。大人しそうな雰囲気とは裏腹にノリツッコミが冴えている。とは言っても殆どがツッコミ役な上に、ボケまくる莉乙であるので苦労人である。少しビビりなところがあり、危険な事に首を突っ込みたくない。
莉乙より長い紺色の長髪を1本で結んでおり、毛先が癖っ毛で、こめかみ付近の髪がフワッとしているのが特徴的。灰色の常に眠そうな目をしておりタレ目がち。臼紫色の眼鏡をかけている。身長は165cmで細身。
「杏ちゃんの事置いていく訳無いじゃんかぁ!と言うか置いていける程ウチ成績良くないしね!アハハハハハッ!」
「いやいや莉乙よ。そこを自信もって言っちゃいかんでしょ」
「自分の成績の悪さに自信を持っちゃいけないの!?」
「駄目でしょお馬鹿!!」
鋭いツッコミが入る。そんな2人は今莉乙の所属する十三番隊の敷地を歩いている。まだ入隊したばかりで道を覚えていない2人は地図を広げる。
「えっと…浮竹隊長に翠の入隊している隊聞いてもらったんだけど、なんかにこやかに笑われたんだよね」
「え?何故に」
「なんか、翠君にこんな可愛らしい友人が居たなんてとか褒められちゃった!」
「褒められて嬉しかった事を伝えたいのは分かった」
その時の事を思い出して嬉しそうに頬をピンク色に染め体をクネクネさせる莉乙に杏はポンと肩に手を置いた。そして改めて話に戻る。
「浮竹隊長が知っているって事は知り合いなんだね。さっきの言い方だと仲良いのかな」
「良くお菓子をあげてるって言ってた」
「親戚のおじさんか」
「ぽい!」
そして翠の隊とは…。
十一番隊。二人の目の前には異様な重圧を感じる門があった。莉乙は苦笑いし、杏は口元を引き吊った。
「あ、翠が十一番隊…」
「まぁ、なんて言うか…」
「……お似合い、でございますね…」
顔を見合わせて2人して苦笑い。翠の性格を十分な程に知っている故に出て来る言葉である。