BLEACH 中編・長編
□2.数十年前A
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瀞霊廷山奥で翠と莉乙、杏は修行をしていた。していたと言っても、莉乙と杏が翠に修行をつけてもらっているのだが。
「動きが遅い!」
「っ!」
杏の右側から重い蹴りが入る。咄嗟に両腕で防御したが、勢いに負けて地面へ叩き付けられた。それに追い討ちをかけるように破道の三十三·蒼火墜を放つ。
「杏ちゃんっ」
そこに莉乙が飛び込んで来て霊力の壁でそれを受け止めたが、受けきれず杏の横に弾き飛ばされてしまった。手が少し火傷しているのを押さえて翠を見上げる。
「翠の馬鹿!手加減してよぉ〜!」
「してんだろ。甘ったれるな」
「厳しい!」
「厳しいのが修行だ」
「レベルを下げてください!」
「今が最低レベルだ」
「鬼だ…!」
ギャーギャー言う莉乙に翠は溜め息を吐く。
「喚くな。修行を頼んできたのそっちだろ。鬼道に自信無いって言うから手伝ってやってんのに」
「翠は手加減ってもんを知らないから怖がられるんだよ」
「杏ちゃんよ、知らないんじゃなくて出来ないんだよ。翠鬼だから」
その言葉に翠は目をスッと細めた。
「成る程な。じゃあ、手加減出来ない鬼の俺は鬼らしくいかせてもらうよ」
「莉乙のお馬鹿ぁ〜!!」
「杏ちゃんも言っただろぉ〜!?」
目の色が変わった翠を見て慌て出す2人。距離を取るとすかさず構えた。だが翠は2人が完璧に防御に入る前に瞬歩で一瞬にして近付きその胸ぐらを掴み上げ、ぶん投げた。木に激突した2人は地面に落ちたが翠は休む暇を与えない。
「縛道の九・崩輪!」
両手の人差し指から霊子の縄を出し、2人を捕らえた。慌てて振りほどこうとするがびくともせず、そのまま振り回される。
「いやぁああああああっ!」
「翠ストップストップっ!!」
「ああ、崩輪はね」
その直後崩輪により2人は激突し、仲良く地面へ再び落ちた。
「ほら。唱えろよ。赤火砲」
「ああっ、杏ちゃん…!」
「莉乙唱えてっ」
狼狽える莉乙を一喝した杏。3人は同時に唱えた。
「「「君臨者よ、血肉の仮面、万象、羽ばたき、人の名を冠す者よ!焦熱と争乱、海隔て逆巻き南へと歩を進めよ!破道の三十一・赤火砲!」」」
ぶつかり合う3つの火の玉。1対2にも関わらず翠の放った赤火砲は2人の力に打ち勝ち、赤火砲が2人を襲った。間一髪で直撃は間逃れたが、痛みに顔を歪める。
それでも翠はまだ追撃してくると分かっているので、二手に分かれて白打で挑む事に。煙の中から出て来た翠に同時に挑む。だが、全ての攻撃が防がれ流されてしまう。
「ちょっとはやるようになったじゃん」
「何それ偉そう!」
「そりゃ偉いから、とは言わないけど」
「言わないんかい!うわっ」
ツッコミを入れた杏の腕を掴むと、莉乙に叩き付けた。また仲良く絡まっていると…。
「縛道の六十三・鎖条鎖縛」
鎖状の光が2人を縛り付ける。それを愉快そうに翠は見下ろし笑っている。
「お前らが仲良しで嬉しいよ」
「好きで仲良く縛られてる訳じゃないんですけどっ」
「鬼!」
「仲良く爆発するか?」
「「ゴメンナサイ!!」」