デジモン 中編・長編

□2.再び災難
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「いってきまーす!」


土曜日の朝、大は家を出てDATSに向かった。DATSに着くともう既にトーマや淑乃が隊服に着替えて仕事に取り掛かっていた。


「あれ…柚袙は?」


近くに居たトーマにそう聞くと、直後に扉が開いた。振り返ると、スパッツ型の赤い隊服を着ている柚袙が立っていた。


「おはよう、大門」


「おお、はよ。つーかお前…赤似合ってるな!」


「そ、そお?」


「おお!」


「………ありがとう…」


照れ臭そうに笑う柚袙に、大はニカッと笑みを浮かべる。そんな二人の様子に淑乃は、キーボードを打つ手を止めてララモンと共にからかうように視線を送る。


「なぁによアンタら…まさか……できちゃってるの?」


「でっ!?」


「?何が出来てるんだ?飯か??」


『飯!』


顔を赤らめる柚袙とは正反対に、大はアグモンと共に飯の話になっていた。


「な、何言ってるんですか…よ、ヨシオさんっ」


「誰がヨシオよ!!」


「じょ、冗談は永久に眠ってから言ってくださいヨシオミさんっ!!」


「せめて女の名前にしなさいよ!!それにその前に言ってる事ヤバイんですけどっ…!」


『テンパり過ぎて毒舌になってるわ…』


ギャーギャー騒ぎ出した淑乃。大は良く分からないが、柚袙と淑乃が仲良くなったのだと解釈した。するとトーマが今の仕事を終えて、柚袙達を振り返った。


「大に恋人が出来るなんて有り得ませんよ、淑乃さん。出来た日には槍…いえ、凶悪なデジモンが地球を埋め尽くす位の数で征服しに来ますよ」


「そうね」


「どう言う意味だよ!」


『アニキ!完全に嘗められてるよ!ガツンと言ってやって!!』


「おう!」


アグモンにガツンと言うように言われて、馬鹿にしてきたトーマと淑乃に何か言ってやろうとする大。


「大体お前らはっ…………あー………んー……………………なんて言えば良いんだ?」


ガクッ…!


勢いが消えて、逆になんて言い返せば良いのか聞いてきた大に柚袙以外ずっこける。すると柚袙が大に近寄り、耳元でゴニョゴニョと何かを言った。


柚袙の言葉を聞いた直後、大は大きく頷き、ビシッとトーマを指差して大声で言った。


「トンマなんかよりなぁ、モッテモテに決まってんだろ!女の一人や二人…お手玉?…にするのだってお手のものだぜ!!」


「手玉に取るね、取る」


「手玉に取るのだってお手のものだぜ!!」


意味が分かっていないが言い直した大。そんな大の言葉にトーマは…。


「だったら、見せてもらおうじゃないか。女性の一人や二人…口説いてみせてくれ」


「口説くー?」


「ちょっとトーマ…」


訝しげに首を傾げる大を見て淑乃は、トーマに何を考えてるのか聞く。


「どうせ今柚袙さんに吹き込まれた事をそのまま言っただけでしょう。なら、いつまで意地を張っていられるか試してみようかと思いましてね」


「…アンタねぇ……大概アンタも性格悪いわよね…」


「そうですか?」


『ご自覚が無かったのですね…』


『大どうするのかしら…』


トーマ達が見守る中、少し考えた後に…。
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