デジモン 中編・長編
□1.ある意味奇跡
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デジタルワールド。今大輔はブイモンと共にディーターミナルでダークタワーの位置を確認しながら、それを破壊する為に動いていた。
『大輔。この近くなんだよな?』
「ああ。もうちょい先………ん?」
『どうした?』
ダークタワーを探していたのだが、いきなりデジヴァイスに別の反応が。
「この反応………ブイモン達を見付けた時と同じ反応だ…!」
『え?じゃぁ、新しいデジメンタルが!?』
「取り敢えず行ってみようぜ!」
『ああ!』
十数分走ると、遺跡のような所へ到着した。遺跡の中へ入るといっそうデジヴァイスの反応は強くなり、遂に大輔とブイモンの目の前には見た事の無いデジメンタルが。
「俺達が知ってる紋章のどれとも一致しない……一乗寺のでもないし…」
『でもさ、ちょっと勇気の紋章と似てるんじゃねぇか?』
「言われてみれば…」
そのデジメンタルは勇気の紋章と似ていた。
『もしかして大輔のかも!』
「そおかぁ?ん〜…」
『取り敢えず試しに持ってみてよ!』
「………それもそうだな。よっしゃ!」
腕捲りをするとデジメンタルを両手で掴んだ。
カッーー!!
「うわっ…!」
触れた瞬間目映いオレンジ色の光がデジメンタルから発せられた。大輔は思わず両手を離し、二歩下がった。
オレンジ色の光は柱になり、その中から徐々に何かが見え始めた。
「デジメンタルじゃなくて新しいデジモンか!?つー事は…新しい選ばれし子供が…!」
『一体誰が…』
固唾を飲んで見守ると、形はハッキリしていき、遂にデジモンの姿が。
「んな!?」
『こ、これは…』
二人の目に映ったのは、なんと…。
「人間!?」
人間だった。茶髪の少年。太一と同い年ぐらいだろう少年が光の中から現れたのだ。
『ど、どう言う事だよ大輔……デジメンタルから生まれるのはデジモンのはずじゃ…』
「じゃぁ…コイツはデジモンだって言うのか?」
『デジモンは俺みたいな形のも居るけど…人型のも居るから。エンジェモンとかエンジェウーモンみたいに』
「でも…」
再び少年をジッと見るが、どっからどう見ても人間である。白のTシャツに赤い半袖Yシャツ、ジーパンといった、人間の服装であるのと、デジモンらしいところは何一つ無い。
「人型でもさ、何か一つはデジモンだって分かるようなもんがあんのに……コイツは何もねぇし…」
『確かに…』
人間としか思えない。もしかしたら何らかの影響でデジタルゲートから現れた人間なのかもしれないと思い始める。
「大輔ー!!」
「太一先輩!」
そこへ太一とアグモンが現れた。その後ろからはヒカリ達も。デジメンタルの反応を受け取ってここへ来たのだろう。
「人間、なのか…?」
「分かんねぇっす。デジメンタルに触ったら出てきて…」
「……………………」
「太一先輩…?」