デジモン 中編・長編

□3.パートナーは太一?
1ページ/9ページ

「宜しくな、相棒」


「何が…宜しく、だ!」


八神家。昨日疲れて寝てしまった大は、そのまま太一が自分の家に連れて帰った。その日は起きずに、翌日目を覚ました大。


そして太一に冒頭の言葉を言われた。


「いや、だってさ…マサルを進化させたのは俺だぜ?俺がお前のパートナーだろ?」


「俺はパートナーは要らねぇ!!」


「でもお前のアグモンに頼まれたしよ」


「ハァア!?」


「夢で」





-お前がアニキを進化させたやつだな?


-…お前は…もしかしてマサルの…。


-へへっ。アニキのパートナーデジモンのアグモンだ!


-そうか、お前が。


-アニキすぐに無茶ばっかするから、いざとなったら止めてやってくれ!


-確かに、無茶するよな、アイツ。任せろ!


-………アニキをよろしく頼むぜ。


-!


-だってお前はーー。





「お前はアニキのパートナーなんだからよ…ってな」


「…………あのヤロー…」


溜め息を吐く大だが、何処か嬉しそうにも見える。それに太一はニヤリと悪い笑みを浮かべて、大の肩に腕を回す。


「なんだなんだ?そんなに俺のパートナーデジモンになったのが嬉しいか」


「アホか。んな訳ねぇだろ。寝言は寝てから言え」


「じゃあ一緒に寝るか」


「アホか!!」


「アホアホ言うんじゃねぇよ。なんだよ照れてんのか?パートナーだろ?」


「照れてねぇ!!男同士ってのが駄目だろ!!」


「安心しろ。正確にはデジモンに性別はねぇ」


「俺は男だぁああああ!!」


冗談なのか本気なのかベットに引き摺り込もうとする太一に、大は全力で抵抗する。そこへヒカリがランドセルを背負って部屋へ入って来た。


「お兄ちゃん、あまりマサルさんをからかっちゃダメよ?」


「だってよぉ、コイツおもしれぇ反応するからよ…つい」


「分からなくも無いけど、構い倒さないようにね」


「へいへい。程々にしとくよ」


(似た者兄妹…)


取り敢えず学校へ行くので大をデジヴァイスicに入れると、それをヒカリに渡した。


「アグモンが話があるって言うから今日は絶対に行くけど、中学の俺は毎日は勿論行けない。マサルなら成長期のままでも充分強いからヒカリに預けるわ」


「分かったわ」


「………あー……大輔には渡すなよ」


「?……どうして?」


「?」


太一の発言にヒカリは首を傾げ、大は話を聞いていなかったようで、微妙な表情をしている太一にハテナを浮かべる。ヒカリの質問に太一は「うっ」と言葉を詰まらせると誤魔化すように笑った。


「とっ、取り敢えず渡すなよ!アイツに渡してデジヴァイスごと無くされたら困るからな!」


「無くされたら俺出れねぇじゃねぇか!」


「そう言う事!」


一人で出る事が出来ない大。太一の様子がおかしかったが、無くされるのは確かに大変なので頷いたヒカリ。この後テイルモンが学校の時間だと部屋に入って来たので、二人は学校へ向かった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ