デジモン 中編・長編
□4.テイルモンの恋
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「テイルモーン。何処〜?」
今日は休日で学校は休み。午後からデジタルワールドへ行こうと連絡がきて、朝はゆっくり。お昼ご飯を食べてから行こうと、先程から居ないテイルモンを探す。
少し前まではいつもリビングのソファーに居たのだが、最近は良く居なくなる。
「そう言えばお兄ちゃんとマサルさん………まだ寝てるのかなぁ」
未だ部屋から出て来ていない太一と大。流石にそろそろ起こそうと二人の部屋へ向かった。
部屋からは話し声一つ聞こえない。案の定寝ているのだろう。
ガチャッ。
ノックはせず中へ入る。
直後に聞こえたのは寝息。
目にしたのは、何故か自分のベットでは無く大に腕枕をして一緒に寝ている太一と、毛布など蹴飛ばして腹を出して寝ている大。
そして、その腹の上で体を丸めて寝ているテイルモン。
大と太一の状況は最近良く見るようになったから驚かない。パートナーであるヒカリが別だが、テイルモンが他人に密着して寝ているのは珍しい。
カシャッ。
思わずカメラでその光景を納める。その音で起きたのか、テイルモンが目を開けた。ヒカリの姿を目にした瞬間とても慌てた様子で大の上から退いた。
『ひ、ヒカリッ…もう行く時間っ…?』
「え?…ああ…お昼だからご飯食べようと思ってテイルモン探してたの。後、まだ寝てる二人を起こしに」
『そ、そう…』
どう見ても動揺しているテイルモンは、大と太一を揺さぶって起こしにかかる。
「………ん〜……………あ、さか…」
『おはよう、マサル。もう昼よ』
「おー…………って!おいこら太一!!またか…!」
右側に居たテイルモンを見た後に、不意に左側を見るとまだ寝ている太一。それを見た瞬間、寝起きだと言うのに部屋中に響くような声で叫んだ。
大の声で起きたのか、太一が体を起こす。
「朝っぱらから元気だな、マサル。おはよう」
「おう、おはよ……じゃなくて!!自分のベットがあんだからそっちで寝やがれ!」
「いや、マサルが寒いと思ってよ。温かかっただろ?」
「確かに温かかった」
「じゃあ、このままで良いな」
「そうだな……って、良いのか!?」
『流されやすいわね…』
簡単に太一のペースに持っていかれる大をテイルモンは少し心配する。ノリツッコミをする大にヒカリは苦笑い。
この後昼飯を食べ、学校のパソコン室へ向かった。最近は崩壊しているデジタルワールドの修復に力を入れている。今日もその手伝いだ。
誰の仕業か分からないが、イービルリングも復活したので、パトロールもしている。アルケニモン達が大を狙っている事もあって、出来るだけ大を一人にしないようにしている。
「しゃぁあああ!!」
バキッ…!!
瓦礫の除去を手伝っている大は、持ち運びやすいように拳で砕いていた。砕いたやつを皆で協力して運ぶ。