混合小説 中編・長編

□3.銀色模様
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「今日は会わせたい子が居るんだ」


そう、ミナトに言われて今は約束の時間まで甘味屋でのんびりしていた。こし餡の団子を頬張る美穂は、いつも通り無表情であるが、幸せオーラが出ている。


(会わせたい子って誰だろう………ハッ…まさか彼女!?俺はお前の親じゃねぇんだぞ!…………って…んなわけねぇか…)


彼女と言う線は消え、再び考える。


(まぁ、波風の事だから弟子辺りだろうね。取り敢えずそれ関係………これが本当だとしても、俺にわざわざ会わせなくとも……律儀な奴…)


最後の団子を食べ終わった美穂は、ナルトを抱え直すと勘定をして甘味屋から出た。


「やぁ。待たせたね」


「………何でここに居るって分かったの」


目の前に立っているのは仕事終わりのミナト。


「半年近くも一緒に居たら分かるよ。それに、君甘い物良く食べに行くし。甘い物あげたら喜ぶし」


「喜ぶのは関係無いでしょ。てか、餌付けしてんじゃねぇよ」


「アハハッ。餌付けなんて人聞きが悪いね。でも、甘い物好きなのは本当でしょ?」


「……まぁね。現世の方がいろんな甘い物あるけどね」


「オレも甘い物は好きだから興味あるなぁ」


「興味あっても行けないけどね」


「残念」


本当に残念がっているようで肩を落とすミナト。取り敢えずこの話は一旦終わり、場所を移動する事に。


移動した場所は暗部待機部屋。


(暗部、ね……陰気な奴じゃなければ良いけど)


そう考えながらミナトに続いて部屋へ入って行った。そこに居たのは、銀髪の少年。


(あ…)


銀髪の少年と目が合う。その瞬間、美穂は何か体に痺れるような…目覚めるような感覚に襲われた。


「四代目様。俺に紹介したい人って…その人ですか?」


「ん!正解!あと、任務外では前みたいにミナト先生で良いんだよ、カカシ」


「そうはいきません。四代目になった以上、前みたいには呼べません」


「堅いなぁ」


カカシと呼ばれた少年とミナトが会話を繰り広げている中、美穂は内心悶絶していた。


(かっ、可愛い…!!身長は俺と同じぐらいそうだし男だけど……なんか可愛い!!日番谷みたいな小さくて可愛い感じじゃなくて、コイツは直感で可愛い感じ!)


初対面の銀髪の少年を可愛い可愛いと連呼する美穂。そんな美穂の心中には気付かないミナトは銀髪の少年を紹介する。


「翠也君、この子はオレの生徒のはたけカカシ君だよ。今は暗部に所属してるけど、とても優秀で頭の良い子なんだ」


「……へぇ。波風のお墨付きって訳ね」


「………四代目様を呼び捨てにするなんて……誰なんですか」


ミナトを呼び捨てにした事で敵意を向けられる。


「四代目様がわざわざ紹介する忍だから余程強い忍なのかと思ってましたが…」


(弱そうって言いたいのね……銀髪で生意気なところ、日番谷に似てるなぁ。こっちの方が刺々しいけど…)
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