混合小説 中編・長編
□4.知って驚愕、知られて爆笑
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あのふざけた出来事から3年が過ぎた頃。着実にミナトを中心として、木ノ葉の里に馴染んでいった美穂。
里に馴染むのもだが、チャクラも着実に美穂の体内で馴染んでいっている。まだ霊力の割合が多いが、死神である美穂の体には、確かにチャクラが存在している。
「10分の2…てか14分の3はチャクラになっちゃってるな」
「良い感じで侵食されてるね」
「何喜んでんだよ!」
「イタッ、痛い痛いっ。別にそんなつもりで言った訳じゃないよ〜っ」
ミナトと演習場にて修行。今は休憩中。笑って言ってきたミナトにイラッときた美穂はその横腹をゴスゴス殴る。
「他人事だと思って呑気に笑いやがって。これだからミナトはミナトなんだよ」
「いや、オレミナトだからミナトで問題無いけど…貶されているのは分かるよ」
「うん、貶してる」
「君は躊躇が無いな…」
「うん」
「うん、じゃなくてね。痛いよ」
未だど突いている美穂の拳を受け止め、取り敢えず降ろさせる。
今日の修行は前半忍術の基礎練習。そして休憩の後の後半は性質変化だ。
性質変化とは、火遁・水遁・土遁・風遁・雷遁、他にも様々ある、忍自身が持っている性質だ。その性質によって使える忍術も限られてくる。
それを調べるには1枚の紙を使う。紙にチャクラを込め、切れたら風の性質、燃えたら火の性質、濡れたら水の性質、シワが入ったら雷の性質、崩れたら土の性質。
複数持ち合わせている者も居れば、1つ2つの者も居る。修行をすれば他の性質も使えるようになるが、威力や使えるものには限度がある。
「じゃ、やってみて」
「ハイハイ」
紙を渡され、掌に乗せると、早速チャクラを込めてみた。すると紙は見事にシワが入った…と言うかグシャグシャになった。
「ん。雷の性質だね。カカシと同じだ」
「あれかな。良く雷吼砲使ってるから。あと飛竜撃賊震天雷砲も良く使うし」
「それは関係無いと思うけど……あれを良く使うのかい。恐ろしいね」
「イラッときた時に使うとスカッとするよ」
(……怒らせないようにしよう…)
ミナトが内心そう思っている事を知らず、美穂は何回か性質を確かめる。
結果、美穂の性質は、火・風・雷の3つ。主に雷の性質が強かったようだ。
「他の性質も使えるようだけど、微弱だね。まぁ、修行すれば普通に使える程度だけど」
「ミナトは風の性質だっけ?じゃあ風から修行しようよ」
「雷じゃなくて良いのかい?」
「良いよ。鬼道とかで風系って殆ど無いから興味あったんだよ」
「成る程ね」
と言う事で風の性質から修行開始。ミナトの指導のもと風の性質の修行は1週間続いた。と言っても、ミナトが暇な時だが。それ以外は自主練か猿飛。
そんなある日、美穂は暇潰しにある事をしようとしていた。ミナトとの修行後、ミナト宅に2人で帰った時の事。
「ナルト、この人は?」
「かぁちゃん!」
「じゃあ俺は?」
「かぁちゃん!」
「………………………」
クシナの写真を見せた後に、自分を指差すが、どちらも母親を表す言葉が出てくる。ナルトももう3歳だ。いつまで美穂を母親と言い続けるのか。