混合小説 中編・長編

□5.VSエロ仙人
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美穂が女だと明かし、それは翌日には里中に伝わる事になった。ミナトが隠すより知っておいてもらった方が良いと言うので、普段はしないようなおめかしをして、女性らしさをアピールするように里中を練り歩いた。


当然の如く里中騒然。女装だと思われる事が殆どだったが、ちゃんと説明して納得させた。


心配だったのは、妻を亡くしたばかりの火影が女と暮らしていると言う事実の反響。だが、心配していた事態にはならなかった。李菜達と同じで、女と分かっても腐った目で見てくる女が多数な上に、美穂ならミナトとそんな関係にならないだろうと言う、何処から来るのだろう考え。


変わらないようで変わったと言えば、やはり美穂を女だと認識している事だろう。そして先日から1人、美穂を女だと認識した男が行動を起こしていた。


「自来也先生、いい加減諦めたらどうですか」


「何故じゃ。男なら見たいと思うだろう。ミナト、協力しろ」


「……殺されますよ」


木ノ葉の里に帰ってきていた自来也は、美穂を女だと知った1週間前から無駄な努力をしていた。女好きな自来也はどうにかして美穂の裸体を見たいそうで、奮闘しているのだが、全て返り討ちにあっているのだ。


そして今はその事について茶屋でミナトに相談中である。さっき言ったようにミナトはいい加減諦めたらどうだろうと言っているが、諦めが悪い自来也は首を縦に振らない。


「力付くで行っても返り討ちにあうからのぅ。入浴中を狙っても気付かれて追い返される……いっその事隠しカメラでも……」


(こう言う事に必死になるのはどうかと思うけど……美穂ちゃんって確かに隙が無いよね。本人が言うように年の功ってやつかな)


裸体は兎も角、隙の無い美穂に改めて感心してしまうミナト。そもそも50年以上も女だと気付かれなかった美穂であるので、本人が言わなければもしかしたら14年間気付かない可能性だってあったのだ。


「もう既に警戒されているんですから、隠しカメラだって想定済みなんじゃないですか?」


「ナルトかお前に隠しカメラを持って貰うって言う手もある」


「へぇ。それは気を付けないとなー」


「大丈夫だよ。オレがそんな事する訳な…………あ……」


ズパンッ!!


「ブベラッ!?」


いつの間にか自来也の背後に立っていた美穂に自来也は鋭い音とともに頬を思いっ切り叩かれた。回転しながら通りに顔面から落ちた自来也は沈黙した。それを見たミナトと里人は哀れと言う目で見詰めたのだった。


「楽しそうな話してんじゃん、エロ仙人。俺も混ぜてよ」


ニィと笑みを浮かべた美穂が漸く起き上がった自来也を見下ろす。右頬を思いっ切りぶたれた上に顔面で地面に着地したせいで顔は真っ赤になり右頬は腫れ、オマケに砂だらけ。顔の砂をほろいながら怒り気味に見上げる。


「思いっ切り殴る事ねぇだろぉ?自分の力考えやがれってんだ!」


「殴ってない。ぶったんだよ。それに本気でやってないから良いでしょ」


「そう言う問題じゃねぇ!つーか……平手で回転しながらぶっ飛ぶって怪力過ぎるってぇーの!」


「お望みならもう1発くらうか?」


「誰も望んでねぇ!!」
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