デジモン 中編・長編
□3.パートナーは太一?
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「宜しくな、相棒」
「何が…宜しく、だ!」
八神家。昨日疲れて寝てしまった大は、そのまま太一が自分の家に連れて帰った。その日は起きずに、翌日目を覚ました大。
そして太一に冒頭の言葉を言われた。
「いや、だってさ…マサルを進化させたのは俺だぜ?俺がお前のパートナーだろ?」
「俺はパートナーは要らねぇ!!」
「でもお前のアグモンに頼まれたしよ」
「ハァア!?」
「夢で」
-お前がアニキを進化させたやつだな?
-…お前は…もしかしてマサルの…。
-へへっ。アニキのパートナーデジモンのアグモンだ!
-そうか、お前が。
-アニキすぐに無茶ばっかするから、いざとなったら止めてやってくれ!
-確かに、無茶するよな、アイツ。任せろ!
-………アニキをよろしく頼むぜ。
-!
-だってお前はーー。
「お前はアニキのパートナーなんだからよ…ってな」
「…………あのヤロー…」
溜め息を吐く大だが、何処か嬉しそうにも見える。それに太一はニヤリと悪い笑みを浮かべて、大の肩に腕を回す。
「なんだなんだ?そんなに俺のパートナーデジモンになったのが嬉しいか」
「アホか。んな訳ねぇだろ。寝言は寝てから言え」
「じゃあ一緒に寝るか」
「アホか!!」
「アホアホ言うんじゃねぇよ。なんだよ照れてんのか?パートナーだろ?」
「照れてねぇ!!男同士ってのが駄目だろ!!」
「安心しろ。正確にはデジモンに性別はねぇ」
「俺は男だぁああああ!!」
冗談なのか本気なのかベットに引き摺り込もうとする太一に、大は全力で抵抗する。そこへヒカリがランドセルを背負って部屋へ入って来た。
「お兄ちゃん、あまりマサルさんをからかっちゃダメよ?」
「だってよぉ、コイツおもしれぇ反応するからよ…つい」
「分からなくも無いけど、構い倒さないようにね」
「へいへい。程々にしとくよ」
(似た者兄妹…)
取り敢えず学校へ行くので大をデジヴァイスicに入れると、それをヒカリに渡した。
「アグモンが話があるって言うから今日は絶対に行くけど、中学の俺は毎日は勿論行けない。マサルなら成長期のままでも充分強いからヒカリに預けるわ」
「分かったわ」
「………あー……大輔には渡すなよ」
「?……どうして?」
「?」
太一の発言にヒカリは首を傾げ、大は話を聞いていなかったようで、微妙な表情をしている太一にハテナを浮かべる。ヒカリの質問に太一は「うっ」と言葉を詰まらせると誤魔化すように笑った。
「とっ、取り敢えず渡すなよ!アイツに渡してデジヴァイスごと無くされたら困るからな!」
「無くされたら俺出れねぇじゃねぇか!」
「そう言う事!」
一人で出る事が出来ない大。太一の様子がおかしかったが、無くされるのは確かに大変なので頷いたヒカリ。この後テイルモンが学校の時間だと部屋に入って来たので、二人は学校へ向かった。