BLEACH 中編・長編

□5.始まりの戦い
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「柴木すっこんでろ!ソイツは俺の獲物だぁあ!!」


「随分と醜い叫び声をあげている男が居るね。一角、君もだからね」


「あぁああああ!!?」


一角と弓親だ。屋根から飛び降りて来た2人は杏の前へ出る。この登場に杏は一安心し任せる事にした。逆に一護と岩鷲は警戒する。


「なんだテメェら。俺はソイツに用があるんだ」


「駄目だよ。柴木は一角の彼女だからナンパはご法度さ」


「「はぁあああああっ!!?」」


弓親の言葉に杏と一角は同時に驚愕する。当然2人はそんな関係では無い。だが何故か弓親は分かっていて推してくるのだ。因みに翠も。


「ちょちょっ、ちょっと!こんな時にまでそれ言う!?普通!!違うって言ってるじゃんよぉ…!」


「なぁんで俺がこんな弱っちぃ奴と!しかもブス!!」


「ブスは酷くない!?確かに美人では無いけどもぉ!!私だってハゲなんかとヤだよ!!」


「剃ってんだよ!!」


「知ってるよ!!」


またもや言い合いが始まる。これも近年日常化している。20年前は滅茶苦茶ビビっていたが、随分と慣れてきたようだ。ビビりは変わらないが。


今回は言い合いをしている暇は無い。取り敢えず強制的に言い合いをブチ切ると、一角は一護に切りかかって行った。弓親も仕方無く岩鷲へ切りかかる。


「柴木に用があんなら俺を倒してから済ますんだなぁあ!!」


「一角。やっぱり彼氏面?」


「そう言う意味じゃねぇええええ!!!」


弓親にキレながら応戦する一護を押しいていく。仕方無く一護は一角との戦闘に集中する事に。置いていかれた杏は数秒固まった後に逃げるように自身の隊舎の八番隊へ向かった。


因みに安菜は現在八番隊第五席で、莉乙は十三番隊第四席である。


杏が八番隊隊舎へ向かっている頃莉乙はと言うと、十四郎が突然のぎっくり腰になった為腰をマッサージしてあげていた。結構長い間じっくりやっていたようで、大分良くなったようだ。


「大分良くなったよ。ありがとう莉乙ちゃん」


「いえいえ!これくらいの事妻なら当然の事です!」


「優しい奥さんをもって俺は幸せだなぁ」


「照れますなぁ…!」


微笑む十四郎に照れ笑いする莉乙。


なんと2人は10年前に恋人となり、その半年後に結婚している。実は、と言うか結構丸分かりの態度で翠を好きで40年間片想いしていた莉乙だが、幼馴染み、親友以上にはなれないと諦めかけていた時、十四郎の優しさに触れ、心底惚れてしまったのだ。告白は莉乙からで、莉乙の初恋とその時の心情を全て理解した上で同じ気持ちだった十四郎が承諾した。因みに莉乙の翠への好意に気付いていないのは殆ど翠本人だけだ。


十三番隊は待機と言う事もあって、本当にのんびりしていた。だがただのんびりしている訳では無い。この後京楽がここへ来て、ルキアを救う手立てを3人で練るのだ。七緒は旅禍への対応に出回っているので後で来るとの事。


「隊長ー。ぎっくり腰治りましたかー?」


入ってきたのは海燕。海燕も話し合いに参加するようだ。ぎっくり腰が治った事を伝えるとお見舞いの品の饅頭を真ん中にどっさり置くと、十四郎の隣に座った。
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