BLEACH 中編・長編
□5.始まりの戦い
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「…各所で戦闘が始まったみたいっスよ。そん中でやっぱり十一番隊が我先にと旅禍と接触してます」
「…そうか……更木と戦闘にならなければ良いが…」
「幾ら旅禍に手練れが居ても更木隊長とは分が悪いですよね…」
剣八に出会さないようにと祈るが、そう簡単にはいかない。現に、一護が剣八といずれ戦う事になる。
そして戦闘になっている者がここにも。
「破道の四・白雷」
「「っ!」」
翠から放たれた白雷は織姫と雨竜に襲い掛かるがそれを避け、雨竜は滅却師の霊子の矢で応戦する。だがそれを全て避けている翠は連続で白雷を放ち続け2人を追い詰める。
「当たらないっ」
「そんなへにゃちょこ攻撃当たる訳無いだろ。本気でやってる?」
「やってるさっ!」
「石田君危ないっ!」
「っ!?」
翠の挑発と連続攻撃に気を取られた雨竜は、いつの間にかに背後に移動していた翠に気付くのが遅れた。いち早く気付いた織姫が間に入り、火無菊と梅厳、リリィによる防御壁、三天結盾を咄嗟に発動し、流月の刃を受け止めた。
受け止めた直後に周囲に衝撃が走り、三天結盾に皹が入った。それを見た翠は空かさず掌を三天結盾へ向けた。
「井上さんっ!!」
危機を感じた雨竜は織姫を咄嗟に抱えて飛廉脚で距離を取った。
「破道の五十四・廃炎」
円盤状の炎が凄まじい火力で遠くに離れたはずの2人を襲う。辛うじて避けたが、雨竜が左腕に火傷を負う。急いで織姫が治療しようとするが、翠が居る以上そんな暇は無い。
だが今翠は先程の連続攻撃が嘘のように動かない。欠伸をする始末だ。
「……何故本気で来ない」
「あ?」
雨竜の問いに翠は首を傾げる。
「死にたいって言うなら本気で殺しに行っても良いけど」
「なっ」
「殺しにって…」
気の抜けた表情からの過激な発言に驚愕する2人。そんな様子も特に気にしていない翠は1歩前へ出た…と思いきや、2人の至近距離に居り、織姫の腕を軽く捻り上げて捕らえ、雨竜の弧雀を自身の霊圧で相殺して消し去るとその右肩に踵落としを食らわせ、仰向けで倒れた所を右足で腹を踏み付けた。
「ぐっ…!?」
「石田君っ!」
腹の痛みに右足を退かそうとするがびくともせず、弧雀を出そうとするも出す前から翠の霊圧によって出せない状態に。
「で?この後2人共バットエンドってか。呆気ないなぁ」
(っ……何なんだこの人はっ。こんなに強いなんて!それに今本気で僕らを殺そうとしている……黒崎から聞いた彼の人物像と全く違うぞっ!)
見下ろしてくる翠の表情からは今の言動が冗談だと伺えない。本気で殺しに来ている事が伝わってくる。すると織姫が出来るだけ翠を見上げながら雨竜を離すように訴えてきた。
「お願い…石田君を離して!それ以上強く踏んだら死んじゃうよ…!」
そう、翠は徐々に強く踏み付けているのだ。実際骨がミシミシ悲鳴をあげている。織姫の言葉に翠は若干笑っている。
「大丈夫だよー。これぐらいじゃ死なないって。人間ってのは案外丈夫に作られてるもんだし。肋の1本や2本折れたところで死なないって」
「でもっ、こんな痛め付けるような事…!」
「じゃあ……苦しまないように1発で仕留めるか?」
「っ!?」