デジモン 中編・長編

□1.信じろコノヤロー
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「デジソウル、チャージ!!」


デジソウルをデジヴァイスicにチャージした瞬間、デジヴァイスicは光った。


「後は任せたぜアグモン…!」


『おう!』


下から大とは違う声がしたと思い下を見ると、アグモン…成長期の恐竜型デジモンが光に包まれ進化したのが見えた。


「ジオグレイモン…」


ボソリとそう呟いた直後、アグモンが進化して成熟期になったジオグレイモンが強力な炎…メガフレイムをクワガーモンに放った。それはクワガーモンに直撃して、大が地面に着地する時には卵…デジタマになっていた。


地面に下ろされた柚袙は助けてくれたお礼を言った。


「良いって良いって。これぐらい男なら当然だからな。な、アグモン!」


『そうだねアニキ!』


いつの間にかに大の隣に居たアグモンは、大きく頷く。その光景に柚袙は感動していた。


(あー、神様…さっきは鬼畜とか言ってごめんなさい。この二人に会えた事を感謝します!……でも、一つ悔やんでる事が…)


悔やんでいる事とは…。


(セイバーズ一話と二話しか見てなくて全然分かんない…!!)


セイバーズとは、柚袙が居た世界でのアニメの事だ。それの主人公がこの大門大で、デジモンシリーズの一作品なのだ。


(なんでもっと早くセイバーズ見なかったんだ………くそっ、知ってるのって…)


「大、そっちも終わったようだね」


「お待たせ」


柚袙の思考を遮って後ろから現れたのは、大と色違いの格好をしている男女。


(知ってるのは、トーマと淑乃…後、薩摩ぐらいかな。大門の家族とかそれぐらい)


藤枝淑乃、セイバーズ主要キャラの中で最年長のお姉さん。パートナーデジモンはララモン。


トーマ・H・ノルシュタイン、貴族の生まれで天才で文武両道・容姿端麗とは正にこの事。パートナーデジモンはガオモン。


トーマと淑乃は柚袙に気付いて、淑乃の方がポーチからペンのような形をしている機械を取り出して、柚袙に向けた。


(やっぱ記憶消されるか…)


この機械は、デジモンの事を広めない為に作られた、今見た記憶を消す機械だ。


「待って」


「トーマ?」


柚袙の記憶を消そうとしたが、トーマにそれを止められてしまう。トーマは一歩前に出て来ると、柚袙を見下ろした。


「君、何故デジモンの事を知っているんだい?」


「え?どう言う事、トーマ…」


淑乃が首を傾げると大がトーマの言葉に賛同してきた。


「あ、それ俺も思った」


「だからっ、どう言う事かちゃんと説明しなさいよ!」


「彼女はフライモンの事を知っていた。聞こえたんだ、フライモンの名を叫んだ声が」


「!」


トーマの言葉を聞いた淑乃がバッと柚袙を見た。


「俺も、ジオグレイモンの名前呟いてるの聞いたぜ」


『俺を見ても驚いてなかったしねー』


柚袙がデジモンを知っている謎。大達の視線に柚袙は少し考えた。


(どうしようかな……この世界がアニメだって言うのは止めとこう…混乱しそう。いや、もう混乱してるけど………………よしっ)


どう説明しようか考えついた柚袙は、ニコッ可愛らしい笑みを浮かべた。


「アタシ、別世界から来たんです」


「「「!?」」」


「それで、そこの世界ではデジモンがカードゲームで出てて…だから知ってるんですよ」


「か、カードゲーム…」


「てか別世界!?」


『この人間界とは別の世界…』


衝撃の告白にどのみち混乱してしまう。
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