デジモン 中編・長編
□2.マサルの進化
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肩をゴリゴリと回す大。
「あれ?大、そんなのつけてたっけ?」
「あ?何が」
「ほら、両手首…」
「?……!!」
大輔に指摘されて見てみると、最初はついていなかった赤いベルトのような物が両手首に巻き付いていた。それを見た大は目を見開いた。
「これはっ………アグモンの…」
『アグモンの?』
そのベルトは大のアグモンが両手につけていた物と似ていた。いや、それそのものだった。
「俺には分かる……これは、アグモンがつけてたベルトだ……でも何で…」
それに触れながら険しい表情をする。
「これって取れねぇのか?」
そう言って大輔がベルトに触れた。
カッーー!!
「「!!?」」
直後に輝き出した大と、大輔のデジヴァイス。オレンジ色の光に包まれると、ベルトの下、両手首から手の甲にかけて赤い線がうねり、勇気の紋章が浮かび上がった。
「なっ」
「勇気の紋章がっ…!」
少しして光は収まった。
「どうなってやがんだ!?」
『大輔!マサル!大丈夫か!?』
「だいじょ……って!なんでブイモンになってんだ!?」
『うわっ。ホントだ!』
チビモンがいつの間にかにブイモンに進化していた。ブイモン自身も今気付いたようだ。するとそこへ丁度タケル達が走って入って来た。
「大輔君!さっきの光は…!」
「何かあったの!?」
少しして太一と光子郎が入って来て先程あった事を説明した。その話を聞いた光子郎は少し考えると、予想ではあるが、それを言った。
「恐らく、大輔君が触れた事によって、もとから似ていた属性であったのが反応して、本来の姿になったのでしょう」
「確かに…お前気付いてないと思うけど、少し八重歯伸びてるぞ」
「んあ?ホントだ…って、ナチュラルに触んな!」
「ワリィワリィ」
太一が伸びた八重歯を触ってきたので、その手を軽く叩き落とす。
「でも、アグモンのベルトの事はどうなんだよ」
「それは………もしかしたら、あなたのアグモンへの強い思いがデジヴァイスの中で蓄積されて、形になったのでは無いでしょうか?デジヴァイスは僕達の気持ちに答えてくれるので」
「俺の気持ち…」
デジヴァイスicをジッと見詰める。
ピィイイッ…!!
ディーターミナルから警報のような音が響いた。急いでパソコンのゲートを映し、マップを開いてみると、ある街の位置が赤く表示されていた。
「なんだぁあ!?」
「そんなっ、ダークタワーが増えてる…!」
「はぁ!?増えるって……デジモンカイザーは居ないんだから増える訳がっ」
「でも…この反応はダークタワー…」
ダークタワーの分布地図を出すと、同じ街に幾つものダークタワーが増殖していた。ダークタワーは、デジモンカイザーであった賢が立てていた物であるから、デジモンカイザーでなくなった賢が立てたとは考えにくい。
『京しゃん!急いで行きましょう…!』
「分かってるわ!皆行くわよ!!」
京の言葉に全員が強く頷く。