デジモン 中編・長編
□2.マサルの進化
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ダークタワーが増殖した街近くの森へ出てきた大達。その目には十は越えるダークタワーが。
「何故一日でこんなに…」
『京さん!私が先に様子を見て来ます!』
「お願い!ホークモン!」
ホークモンは街へ飛んで行った。それに続いて大達も街へ向かう。
街…トトノ街へ入ると、周りは静まり返っており、デジモンの姿が無い。
『どうして…トトノ街って言ったらいつも綺麗な音楽が流れている街なのに…』
『おかしいわね。こんなに静まり返ってるなんて…』
パタモンとテイルモンの言葉に、静かな街への疑問は更に深まる。するとそこへホークモンが戻って来た。
「あ、ホークモン!奥どうだっーー」
『皆さん逃げてくださいっ!!』
-!!
慌てたように叫んだホークモンの後ろからは、大輔達にとってとても見覚えのある物が凄いスピードで飛んでいた。黒いリング…。
「イービルリングッ!?」
デジモンカイザーがデジモンを操る為に作ったリングだ。ダークタワーの機能と共に停止したはずなのだが。
「なんだあれ?」
「あれをはめられたデジモンは操られてしまうんです!」
「それ俺もじゃねぇかよ!」
「取り敢えず逃げるぞ!!」
太一の一声で全員が後ろへ走り出した…と思いきや…。
「漢なら、無機質な機械にも背なんて向けねぇ!!全部ぶっ壊してやらぁ!!」
「おっ、おいマサル…!!」
大ただ一人が逆にイービルリングへ向かって行った。近くまで行くと、向かってきたイービルリングに拳を叩き込んだ。一瞬にして砕け散ったイービルリングは大を標的にして向かって来る。
「あんの馬鹿っ」
「仕方がありません。僕達もマサルさんの援護をしましょう!」
「皆!進化よ!」
一人で複数のイービルリングを破壊するのは難しい。ダークタワーが機能している為普通の進化は出来ないので、全員アーマー進化した。
『ナックルファイヤー!!』
大の背後に迫っていたイービルリングをフレイドラモンが破壊する。
「ワリィな!」
『一人で突っ込んで行くな』
「いつものこった!」
フレイドラモンにお礼を言うと、再びイービルリングに向かい拳を放った。
キィイィイイイッ…!!
「ウゼェエ!!なんっだ、この音…!」
「ううっ。耳が痛い〜!!」
突然黒板を爪で引っ掻いたような音が爆音で響き渡った。全員耳を思わず塞ぐ。すると正面からドスドスと足音を立てながら一体のデジモンが現れた。
『ウオォオオオ!!俺の歌を聴きやがれぇえええ!!』
ボルケーモン、完全体。サイボーグ型デジモン。怒りが頂点に達すると背中の火山が噴火する。エテモンとは良きライバルだと言う。
「って…マサルのデジヴァイスにデジモンのデータが表示されてる」
「俺のデジヴァイスにそんな機能ねぇぞ……つーか!勝手にデジヴァイス弄んな!!」
「いーじゃねぇか別に」
「良くねぇ!!」
「お兄ちゃんもマサルさんもじゃれてる場合じゃ無いわよ!」
「「じゃれてねぇ!!」」