デジモン 中編・長編
□3.パートナーは太一?
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えっへん!と、胸を張って言う大。そんな大にブラックウォーグレイモンは…。
『………まだ仲間になるとは言っていない』
「ぬぁにぃい!?」
オーバーリアクションで反応する大は唇を尖らせる。
「ちぇー…折角俺がダチになってやろうと…」
『…………その気持ちは感謝する』
「へ…?」
まさか感謝されるとは思っていなかった大は間抜けな声が出た。
『お前の言葉には何故か温かさを感じる。心のある理由が分からなくとも…心とは、このような事を感じる事が出来るのだと、お前のおかげで分かった』
「な、なんだよ改まって…」
『思った事を言ったまでだ。これが心なのだろう?』
「……まぁ、な」
良く分からないが、心について少しは理解してくれているようであったので、細かい事は気にしない事にした。
この話はもう良いのか、ブラックウォーグレイモンはデジヴァイスicを岩の上へ奥と背を向けた。何処かへ行こうとしているのに気付いた大は慌てて引き止めた。
「まっ、待て!行く前に俺をここから出してくれ!!」
『自分で出れないのか』
「出れないからこんな状況なんだよ…」
『…………どうすれば良い』
どうやら出してくれるそうで、出し方を聞いてくる。出し方を説明すると、デジヴァイスicの横のボタンを器用に大きな鉤爪で押そうとする。
『ブラックウォーグレイモン、そのデジヴァイスをこちらに渡な』
「『!』」
ボタンを押す手が止まった。振り返るとそこには女性と男性が。しかしその正体はデジモンで、ダークタワーからブラックウォーグレイモンを作り出した張本人である。
自身の髪を使いダークタワーからダークタワーデジモンを作り出す女性…アルケニモン。完全体の魔獣型デジモン。ウイルス。蜘蛛の女王と言われており、性格は短気で凶暴。
ミイラ男型…マミーモン。完全体のアンデッド型デジモン。ウイルス。追い詰められたりすると愛用の銃オベリスクを乱射する危険な存在である。
『何故お前達に渡さなければいけない』
『そんな事お前は気にしなくて良いんだよ』
『そうそう。それを渡せばお前にはあと用は無いしなぁ』
『………………………』
デジヴァイスicの中の大に視線を向ける。すると、アルケニモンとマミーモンを知らない大は誰なのか聞いてきた。
『……俺をダークタワーデジモンとして作り上げたデジモンだ』
「……そうか、コイツらが。つー事はアルケニモンとマミーモンって奴等だな。太一達から話は聞いてるぜ。完全体二体…相手にとって不足はねぇぜ!」
やる気満々な大。ブラックウォーグレイモンにデジヴァイスicから今すぐ出すように言う。
『そのまま渡してもらうおうか。出て来たら面倒になりそうだしね』
「ああ?お前らをぶちのめすにはまず出ねぇとダメだろ!!大輔達が散々ヒデェ目にあってるらしいからな…そのお礼参りしてやらぁ!」
『おいおい…もう選ばれし子供達と面識あるのかよ』
〔選ばれし子供…〕