デジモン 中編・長編
□1.熱烈猛烈に
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少女は倒れ伏した女リーダーを見下ろすと、壁に預けていた背中を離し唖然としている両脇の2人の後頭部を鷲掴みにしたと思いきや…。
ズドォッ!!
地面へ顔面を叩き付けた。
「てっ、テメェッ」
それにやっと動き出した他の女達。少女に掴み掛かろうとするが、体勢が低くなっていた少女は同時に3人の足払いをすると、そのままもう1回転し回し蹴り1つで3人を壁に蹴り飛ばした。
「押さえろ!」
「!」
背後から2人に両腕を掴まれ動け無くされた。
「もらった!」
もう1人の振り上げられた拳。だがそれは少女に届く事は無かった。
何故なら、少女は両脇の2人の腕を振り払い、逆にその2人の腕を掴んで反動を付けて背負い投げをするかのように拳を振り上げた女にぶつけたからだ。
そして今、計6人の屈服を終了した。掴んでいた腕を放すと、少女の私物であろう地面に落ちていたモノクロのトートバッグを拾い、その場を去ろうと歩き出す。
だがそれを大が止める。
「おい!待てよ!」
「なんですか覗き魔」
「覗き魔!?」
間髪入れず返ってきた言葉は、大達の存在に気付いていた事を示す。不名誉な名前で呼ばれたが事実な故に違うとは言い返しにくい。だが、大は少女の強さに興味を示しているので、そこには触れず続ける。
「お前強いな!見た感じ高校生みてぇだけど、どっかのレディースに入ってんのか?」
「そんなダサイ集団と一緒にしないで。それと、高校は卒業してる。アンタこそ中学生でしょ」
「はぁあああ!?俺のどこが中学生だよっ!!」
「その童顔で良く言うよ」
『アニキそれ気にしてるから言わない方がいいぜ?』
「遅いわっ!!」
言われてからアグモンが言っては意味が無い。肉体は出来上がっているが、顔がシュッとしているだけで殆ど変わらない。