運命の糸
□ついに見つけた
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サソリは中学入学と共に愚れた
ずぼんは腰ギリギリまで下ろし、ベルトにはチェーンをつけて学ランのボタンを全開にして耳にはピアスも空けた
サソリの通う中学は市立だが、真面目な生徒たちばかりが集う進学校...
身だしなみが崩れていれば、簡単に目立ってしまう
そんなサソリは他の生徒たちに距離を置かれた
しかし、サソリは相変わらず優秀で定期試験でもいつも学年で一番だ
ある日、いつものことだがサソリは職員室に呼び出しをくらった
「早速だが、お前に聞きたいことがある。」
「何すか?」
「これが男子トイレから発見された。吸ったのはお前か?」
教師が手に持っていたのは、ビニール袋に入ったタバコ吸い殻...
「俺じゃないっすよ。」
「本当か?」
「疑いたくなるのはわかりますけど、俺はタバコは嫌いなんすよ」
「では、他に誰がいるんだ?」
教師はサソリを疑うのをやめない。
こんな真面目な生徒ばかりの学校で、タバコを吸いそうな生徒はかなり絞られてくる。
サソリだってそれはわかってるから、無駄な反抗はしなかった。
そのときだった。
職員室の扉が開き、別の教師に連れられて一人の生徒が入ってくる。
「タバコを吸ったのはサソリではありません。コイツです!」
サソリはそちらを振り返った
そして喫煙の犯人であると思しき生徒を見て、サソリは息が止まりそうになった
「お前は...!」