運命の糸
□アルバイト
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その頃、先に下校したサソリは自宅への道を歩いていた
「(やっぱバイトでもした方がいいのか?)」
デイダラや飛段と英検を受けられなかったことを気にしていたのか、サソリの脳裏には「アルバイト」という言葉が浮かぶ
高校生だし、校則でも禁止はされていないのでやろうと思えばできる
「あ、銀行に寄らなきゃだな」
ちょうど今月の学費を振り込む時期だったことを思い出したサソリは、駅近くにある銀行へと足を運んだ
ワリと都会なため、駅のあたりは周囲に高層ビルが立ち並び人通りも大変多い場所だった
人混みが得意ではないサソリは無事振込を終えると、すぐに帰路につこうとしたが...
「ちょっと、そこのお兄さん」
見知らぬ若い男に声をかけられて、サソリは振り向いた
「お兄さん、なかなかカッコ良いね」
「はぁ?」
急に何を言うんだと、サソリは怪訝そうな顔をしたが、男はそんなことは気にしない様子で更にペラペラとしゃべり続けた