運命の糸
□孤独...
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そうして5年...
サソリが小学校6年生の夏
突然、彼をとても受け入れ難い現実が襲いかかった
両親が交通事故にあい、病院に緊急搬送されたのだ
サソリが病院に駆けつけたときには、両親は重体で虫の息だった
医師も手を尽くしたが、どうしようもないとのこと...
「父さん...母さん...」
サソリは両親の手を固く握る
「ごめんね...サソリ...」
「ダメだ!死なないでくれよ!!」
サソリの顔を大粒の涙がつたう
「サソリ...これから苦しくてツラいこともたくさんあるかもしれない...だけど、頑張るんだぞ...」
「一緒にいてあげられなくてごめんね...でも、これだけは聞いて...」
サソリは頷き、母の最期の言葉を聞き逃すまいとする
「たった一人でもいいから...信じられる友達を作りなさい。あなたは友達を作るのを嫌っていたけど...。きっと、そんな子があなたの前に現れてくれるわ...。」
その言葉を遺し、両親はサソリのもとを去った