運命の糸
□ついに見つけた
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「だーかーらー!オイラが悪かったよ、うん」
「...。」
そこにいたのは紛れもなく、夢に出てきた少年だった。
「デイダラ、お前はあとで反省文だ」
「へいへーい」
デイダラ...確か隣りのクラスのヤツか?
デイダラはサソリと同じく、この学校の中で数少ない不良の一人だった
だが、学力は大変優秀でテストでは学年で一位のサソリに続く二位...おまけに、夏休みの宿題で粘土細工を作り優秀賞を獲得していた。ちなみにサソリはからくり人形を作って最優秀賞。
「呼び出してすまなかったな、サソリ。」
「サソリ?」
デイダラはサソリの名前に反応し、サソリを見つめた
すぐに二人揃って職員室を出て歩きだす
サソリはあえてデイダラに興味のないフリをした
自分から他人に話しかけたことがあまりにもなさすぎるので、どうしたらいいのかわからなかったのである
サソリはデイダラの先をスタスタと歩いていたとき、デイダラが走って駆け寄ってきた
「おいお前!!」
「あぁ?」
デイダラに呼び止められ、サソリは立ち止まり振り返った
お互い不良なので、ケンカをふっかけられるのかと思ったが違った
デイダラはサソリを見てニコッと笑っている
「オイラのせいで巻き込んじまってごめんな、うん」
「別に気にしてねぇよ。俺こんなだから疑われても不思議じゃねーし。」
「いや、本当に迷惑かけちまった。礼に何か菓子でも奢ってやるよ、うん。オイラ、お前と話したいことあんだ。」
「奇遇だな、俺もだ。だったら俺も反省文書くの手伝ってやる。」
実際にデイダラと話してみて思った。
やっぱりコイツ夢に出てきたヤツと同じだ、何もかも...
ようやく夢ではなく現実で出会うことができて、サソリは嬉しかった
そしてデイダラは
サソリにとって初めての友達だった