運命の糸
□アルバイト
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「すごく稼げるバイト知ってるんだけどやってみない?」
「バイト?」
ちょうどバイトについて悩んでいたので、サソリはつい男の言葉に耳を傾けてしまった
「そうそう。お兄さんなら1日に3、4万は稼げるんじゃないかな?」
「3、4万も?」
どうせロクでもない仕事だろうと思ったが、生活を1人でやり繰りしているサソリは、その金額を聞いて一瞬迷ってしまった
「うちで働けば、絶対お金には困らないからさ。紹介するから今すぐ店に行こうよ。」
「...。」
つい迷ってしまい、男について行こうとしたときだった
「おい」
何者かがサソリと男を呼び止めた
声がした方を見れば、体格の大きい男子校生が立っている
制服が違うので、他校の生徒のようだ
「な、何だよお前!」
自分よりもでかい男子校生にビビりながら、男は声を荒立たせる
「未成年を捕まえて犯罪紛いの仕事をさせようなどと、どういうつもりだ?」
男子校生は鋭い目つきで男を睨みつけた
その眼光に恐れを抱いたのか、男はそそくさとその場を立ち去る
「あのような怪しげな勧誘に乗ってしまうと大変なことになるぞ」
「すみませんでした」