MUTATION NOVEL
□TIME VARIATION
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目が覚めると…
見慣れたはずの景色が違って見えるなんてよくあることで……
違和感を感じても
部屋を見渡して、変わりがなければ、
別段気にするほどのことではない。
頭が覚醒していないだけ……
でも、何でだろう?
いつもクローゼットにしまってあるはずの制服がご丁寧に壁にかけてある……
僕、昨日直したよね?
しかも、新品のように綺麗だ…
確かめようと身体を起こすと更に妙な感覚に襲われる。
天井が高い気がする……
眠さと違和感で思考回路が混乱し始めた僕を余所に扉が勢い良く開いた。
「おはよう、周助!ちゃんと起きてる?」
姉の由美子だ。
いつもの由美子姉さん。
仕事に行く準備万端です。
と言わんばかりに服装もメイクもバッチリな姉さん。
僕は苦笑いを浮かべて、ちょっと安心しかけた。
…のに
「アンタも今日から中学生なのね〜。裕太のときは大騒ぎしたくせに自分のときはクールなのね。」
ん?
今日から中学生…?
「姉さん、今なんて…」
「何?まだ寝ぼけてるの?入学式早々遅刻するわよ」
呆れたようなため息をつきながら姉さんは僕の目の前に姿見と学ランを持ってきた。
「さっさと着替えて来なさいよ。母さん楽しみしてるんだから。」