novel
□手をつなごう
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俺の恋人は本当にモテる…。
俺の恋人、不二と付き合い始めて、まだ一ヶ月だ。
俺は不二との事を知られないようにしたつもりだったのに、
次の日には周知の事実になっていた。
不二に好意を寄せてる奴が多いのは知っていたが…。
いくらなんでも早すぎる。
ストーカーでもいるんじゃねぇか?
それからというもの、俺は全世界を敵に回した気分だった。
休日の午前中だけの部活を終え、部室に戻った。
不二と付き合い始めた次の日から、跡部にいつもの二倍の練習量を言い渡された。
しごかれるのは構わないが、俺には嫌がらせに感じた。
さらに、監督からは二軍落ちをほのめかされた。
さすがにそれはなかったが、職権乱用で訴えてやりたかった。
というよりも、「お前もかよっ!?」とツッコミたかった。
疲労を感じながら、部室の扉を開けると、
中では、着替え途中の忍足と岳人。
それから日誌を書いていた跡部がいた。
俺は嫌な予感をひしひしと感じながら、黙ってロッカーの前まで行った。