novel

□先輩と兄貴
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兄貴が俺のことで観月さんをあまり良く思っていないのを俺は知っていた。

観月さんは兄貴に好意を持ってるみたいだけど…。

だから、板バサミにされると最悪だった。

しかし、だからこそ、観月さんなら、兄貴に近付けても何もないだろう、と。

少なくとも仲良くなんてならないだろう、と。


そう思っていたのに…。







コンコン…


「裕太くん、入りますよ。」


ドアをノックすると共に、聞きたくもない上機嫌な観月の声。

ものすごく嫌な予感を感じながら、裕太はベッドから起き上がった。

ドアが開き、満面の笑みの観月さんが現れた瞬間、おもいっきりドアを閉めたかった。

そんなことできる訳もないけど…


「…何ですか?」


怪しみながら声をかけると、観月は全く気にした様子もなく、紙袋を差し出してきた。
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